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会社に飽きたとき、創業者の本を読む
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創業者の本は、起業する人のためのものだと思われがちです。
ただ、会社員が読むとまったく別の効き方をします。いま自分が座っている椅子が、どういう経緯でそこにあるのかが見えるからです。
目の前の稟議も、朝礼も、評価制度も、誰かが何かの意図で作ったものです。それが見えると、従うか、変えようとするか、出ていくかを自分で選べるようになります。
読むときの注意
先に書いておきます。創業者の本は、成功した人が後から語った話です。
- うまくいった判断は記憶され、うまくいかなかった判断は残りにくい
- 時代背景が違う。高度成長期の判断を、そのまま今に持ち込むと事故になる
- 読んで気持ちが大きくなり、勢いで会社を辞めたくなることがある
真似するために読むのではなく、判断の癖を見るために読むと、実務に持ち帰れるものが増えます。
ものづくりの現場にいるなら
得手に帆あげて
こんな夜に。自分の得意なことが、いまの仕事のどこにも使われていないと感じるとき。技術職で、上に行くほど現場から離れることに違和感があるとき。
技術者としての本田宗一郎の考え方が、平易な言葉で書かれています。得意なところで勝負するという一貫した姿勢は、キャリアの選び方にそのまま置き換えられます。理屈より先に手を動かす人の思考が見えます。
合わないかもしれない人:体系的な経営理論を求める人には向きません。エッセイに近い性質の本です。
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MADE IN JAPAN
こんな夜に。海外の取引先や、本社と現場の文化の違いに疲れているとき。日本の会社の慣習を、外から見た形で捉え直したいとき。
ソニーが世界に出ていく過程を、当事者が語った本です。日本企業の意思決定の速さと遅さ、雇用の考え方、現地に合わせることと合わせないことの線引きが具体的に書かれています。組織の内側にいると見えない部分が言語化されています。
合わないかもしれない人:時代が離れているので、そのまま使える施策を探すと空振りします。
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数字と組織の作り方を見たいなら
アメーバ経営
こんな夜に。自分の部署の数字が、会社全体のどこにつながっているか分からないとき。中間管理職で、上から降りてくる目標に納得できないとき。
組織を小さな単位に分けて、それぞれに採算を持たせる仕組みの本です。数字を経営者だけのものにせず、現場が自分で見られるようにするという発想が中心にあります。自分のチームの数字の切り方を考える材料になります。
合わないかもしれない人:仕組みの本なので、精神的な支えを求めているときには合いません。その場合は同じ著者の『生き方』のほうが近いです。
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運は創るもの
こんな夜に。自分は要領が悪い、向いていないと感じているとき。順調にきた人の話を読むと、かえって落ち込むとき。
ニトリ創業者の自伝です。失敗と苦手の記述が多く、順風満帆な成功譚ではありません。うまくいかない時期の長さが正直に書かれているので、いま停滞していると感じている人が読むと距離が近く感じられます。
合わないかもしれない人:経営手法を学びたい人には、自伝の比重が大きく感じられます。
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会社を辞めたくなったら、一度止まる
創業者の本を読んだ直後は、判断が大きく振れます。読了した週に転職サイトに登録し、翌月には何もしていない、というのはよくある動きです。
気持ちが動いたこと自体は悪くありません。ただ、読み終えた勢いのまま決めると、あとで理由を説明できなくなります。
先に、いまの不満を紙に書き出してから決めたほうが、選ぶ基準がはっきりします。