How to

感情の消耗を減らす、一行記録のつけ方

疲れ 5分で読めます

十分に寝ているのに、月曜の朝が重い。休日に昼まで寝ても戻らない。体力が落ちたのだと思って、そのままにしている。

体力が落ちたのなら、腕や腰に来ます。来ているのがそこではないなら、減っているのは体力ではないかもしれません。

人に気を遣う仕事では、一日にどれだけ気を遣ったかを誰も数えていません。数えていないので、減っている実感もない。実感がないまま、翌日また同じだけ使います。

やることは1つです。何に使ったかを、一行だけ記録します。

書き方

帰る前に、今日いちばん気を遣ったことを一行書きます。

一行の型

「何に・どれくらい・何をしていたか」を並べるだけです。

例:
家族対応・30分・言い方を選び続けた
板挟み・午後ずっと・両方に違う説明をした
面談・15分・言いたいことを飲み込んだ

評価は書きません。対策も書きません。原因分析もしません。

「つらかった」「しんどい」も書かなくていい。何に使ったかだけです。

なぜ評価や対策を書かないのか

書くと続かないからです。

対策まで書こうとすると、書くこと自体が仕事になります。疲れている日ほど手が止まり、疲れている日ほど記録が必要なのに残らない、という逆転が起きます。

目的は改善ではなく、可視化です。何に使ったかが分かるだけで十分に効果があります。

1〜2週間で傾向が出る

7行たまると、自分の消耗の中身が見えます。

介護や看護の人が書くと、体を使う介助はほとんど出てきません。出てくるのは家族対応や職員間の調整です。営業なら、商談より社内調整のほうが並びます。

体を使う仕事だと思っていたのに、消耗しているのはそこではなかった、という結果になることが多い。

これが分かると、扱い方が変わります。「今日は使い切ったから、家では何も決めない」という判断ができるようになります。夕飯を作らない日を、罪悪感なしに選べるようになります。

いちばん崩れやすいところ

書かなくなる日は、忙しい日ではありません。いちばんしんどかった日です。

思い返したくないので、書かずに帰ります。そして、いちばん記録すべき日のデータが抜けます。

対策は、書く場所を変えることです。

手帳は「開く」という判断が要ります。付箋は目の前にあります。その差だけで、続く確率が変わります。

何もなかった日も一行書いてください。「今日は何もなかった」でいい。書かない日を作らないほうが続きます。

3か月たったら数える

種類ごとに数えます。家族対応が42、職員間の調整が28、というふうに。

ここで初めて、記録が交渉の材料になります。

「疲れています」は主観なので、通りません。「この3か月で家族対応が42件あり、全部主任が一次窓口です」は事実なので、体制の話にできます。

すぐには変わりません。半年かかることもあります。ただ、数字がないと話が始まりません。

この方法で解決しないこと

記録は、消耗そのものを減らしません。何に消耗しているかが分かるだけです。

そして、次のような状態は記録では解決しません。

この場合は、記録より先に医療機関に相談してください。産業医、かかりつけ医、自治体の相談窓口でかまいません。このページは、そこの代わりにはなりません。

まとめ

疲れが消えるわけではありません。ただ、なぜ座り込んでいるのかが分かると、少しだけ扱いやすくなります。