How to
数字が苦手な人のための、週30分の見方
数字を見ていない人の多くは、忙しいから見ていないのではありません。
見ると、うまくいっていないことが確定するから見ていない。開かなければ、まだ分からない。この構造に自覚があるかどうかで、対処が変わります。
忙しかったのは本当です。見たくなかったのも本当です。両方認めたところから始めたほうが、続きます。
全部を見ようとしない
会計ソフトを開いて、全項目を眺めようとすると、30分では終わりません。終わらないので、次から開かなくなります。
見るのは3つだけにします。
週に見る3つ
1. いちばん多く出た(売れた・使われた)ものは何か
2. その1つの原価はいくらか
3. 仕入れや経費で、先月より上がったものは何か
これ以外は見ません。合計も、利益も、今週は見なくていい。
飲食なら売れたメニュー、小売なら売れた商品、受注業なら件数の多い案件種別。職種が違っても、この3つの形は使えます。
なぜ「いちばん多く出たもの」から見るのか
数が多いものほど、単価あたりの差が全体に効くからです。
よくあるのは、いちばん出ているものの利益がいちばん薄いという状態です。原価が上がったのに価格も量も据え置いていると、出れば出るほど利益が減ります。
この状態だと、忙しくなるほど儲からない。売上が伸びて利益が下がる、という現象の説明の半分はここにあります。
まずここを1つ確認するだけで、見る価値があります。
時間の取り方
忙しい週に30分を作ろうとすると、必ず失敗します。忙しい週には作れません。
- いちばん暇な時間帯に固定する。定休日の朝、始業前、月曜の開店前など
- 曜日と時刻まで決める。「週に1回」では決まりません
- 始める合図を作る。コーヒーを淹れてから始める、など
3週間空くと、たまった分を見る気になれずに終わります。飛ばした週は取り返さないでください。直近の1週間だけ見ると決めておけば、再開できます。
見つかったあと、値上げ以外の手を先に考える
利益の薄いものが見つかったとき、値上げは最後の手段です。心理的にも一番重い。
先に検討できるものがあります。
- 量や仕様を少し調整する(見た目の印象を落とさない範囲で)
- 構成の一部を、原価の低いものに替える
- 仕入先か、仕入れ単位を変える
- 売る位置を変える(並びの前後、案内の順番)
これらで足りなければ、値上げを検討します。順番を踏んでおくと、値上げするときに自分でも納得できます。
目標にすること
利益率を何パーセント改善する、という目標は最初は置かないでください。数字が動くまでに時間がかかり、そのあいだに続かなくなります。
最初の目標は「値段を決めるときに手が止まらなくなること」です。
新しいものを出すとき、原価を先に出してから価格を決める。以前は周りを見て決めていたところが変われば、それで習慣として成立しています。
まとめ
- 見ていない理由は、忙しさだけではない。それを認めるところから
- 全部を見ない。3つだけ見る
- いちばん多く出たものの原価から確認する
- いちばん暇な時間帯に固定する。忙しい週には作れない
- 飛ばした週は取り返さない。直近1週間だけ見る
- 値上げの前に、量・構成・仕入れ・置き場所を検討する
怖いのは数字ではなく、分からないまま続けることです。そう思えるようになるまでに、たいてい時間がかかります。