How to
成果が伝わらない人の、報告の直し方
評価面談で「安定してるんだけど、これという成果がない」と言われる。心当たりがないわけではないが、やっていないわけでもない。むしろ去年より働いている。
この状態のとき、たいてい仕事量は問題ではありません。報告が、種類しか伝えていないことが原因です。
まず、去年の報告を並べてみる
過去6か月分の月報や週報を印刷して、横に並べてください。
多くの人が、ここで手が止まります。どの月も同じ文章だからです。
ライン改善を継続的に実施。作業効率の向上に努めた。
若手教育について、手順書の整備を進めた。
設備トラブルに対応し、生産への影響を最小限に抑えた。
間違ってはいません。全部やっています。ただ、6か月分を並べるとどれがどの月か区別がつきません。
これは、やったことではなくやった種類を提出している状態です。読む側には「いつも通り」としか届きません。
数字を1つだけ足す
全部を数字にする必要はありません。むしろ全部やると嫌味になります。
その月にいちばん効いたことを1つ選んで、1行だけ数字付きで書きます。
書き方
× ライン改善を継続的に実施
○ 段取り替え:18分→11分(1日12回・月換算で約28時間)
変化の前後と、それが効く回数を書きます。回数を掛けると、初めて規模が伝わります。
残りは今まで通りで大丈夫です。1行だけ変えます。
数字にできない月がある
3か月目くらいで必ず来ます。トラブル対応と資料の直しで終わった月で、書けることがない。
ここで無理やり数字を作らないでください。捏造は必ずばれますし、自分でも嫌になって続かなくなります。
代わりに、数え方を変えます。
「防いだこと」を数える
改善だけを数字にしようとするから書けません。止まらなかったことも成果です。
設備トラブル4件を当日中に処理(ライン停止ゼロ)
止めなかったことは、何も起きなかったように見えます。実際には4回止まりかけている。何も起きなかった、を成果として書けるのは当事者だけです。書かなければ誰も知りません。
それでも書けない月は空けておく
毎月書く必要はありません。空けておいて、次の月に戻ればいい。連続を切らさないことより、嘘を書かないことのほうが大事です。
「自慢に見えるのが嫌」について
数字を書くのをためらう人の理由は、たいていこれです。
狙ってやったように見える。現場が困っていたから直しただけで、成果として掲げるものではない。
その感覚自体は、まっとうです。ただ、それを持ったまま黙っていると、上司に届くのは「継続的に実施」という言葉だけになります。
報告は、自己主張ではなく引き継ぎです。あなたがいなくなったとき、何が失われるかを書き残す作業だと考えると、少し書きやすくなります。
報告先が読む場面を想像する
上司は、あなたの報告を評価面談の直前にまとめて読み返します。そのとき思い出せる形になっているかどうかが、全部です。
思い出せるのは、数字か固有名詞です。「効率が向上した」は思い出せません。「28時間」は思い出せます。
そして上司は、その数字を自分の上司に説明します。説明しやすい形で渡すと、勝手に広がります。
効果が出るまで
翌月の会議で名前が出ることがあります。やっていることは何も変わっていないのに、です。
それを見て「今までは何だったのか」と虚しくなる人もいます。その感覚は正当です。ただ、伝わっていなかったのは事実なので、そこは分けて考えたほうが楽です。
まとめ
- まず過去6か月の報告を並べる。区別がつかなければ、種類しか書いていない
- 月に1行だけ、変化の前後と回数を数字で書く
- 書けない月は、防いだこと・止めなかったことを数える
- それでも書けない月は空ける。捏造しない
- 報告は自己主張ではなく、失われるものの引き継ぎ
働き方を変える必要はありません。書き方だけ変えます。