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教えても伝わらないときに、変える1つのこと

人間関係 6分で読めます

聞かれたら答えている。惜しんだことはない。それなのに、何年たっても同じ人が同じことを聞きに来る。

教えることと、答えを言うことを同じものとして扱っていると、これが起きます。

答えを渡すと、その案件は片付きます。ただ、判断の材料は渡っていません。だから次に似た案件が来たとき、また聞きに来ます。

まず、自分の動機を確認する

即答するのは、相手のためだけではありません。

答えられる自分は気持ちがいい。三十年の経験が役に立っている実感がある。そこを認めておかないと、質問を返すやり方は続きません。

教える側の満足を少し手放す作業になります。

1. 「お前ならどうする」を1回挟む

やることはこれだけです。「どうしましょう」に対して、答える前に一度返します。

最初の数回は、意地悪をしている気分になります。相手も戸惑います。答えを持っている人が出さないのは、そう見えるからです。

4回目くらいから、相手が先に案を持ってくるようになります。

「担当で止まりそうなので、部長決裁に上げようと思うんですが、どうですか」

ここまで来ると、こちらは「それでいい」と言うだけです。かかる時間は、答えを言っていたときと変わりません。

2. 急ぎかどうかを先に宣言する

ここが最大の崩れどころです。

期末や繁忙期に、質問を返す余裕がなくなります。全部に即答する。そして翌月に戻そうとすると、相手のほうが先に聞き方を戻していて、案を持ってこなくなっています。1か月で崩れます。

原因は、急ぎの案件でも質問を返そうとして、無理だから全部やめたことにあります。

そこで、最初に宣言します。

2つの言い方を用意する

急ぐとき:「これは急ぎだから、答えを言う」

急がないとき:「これは考えてきて」

どちらなのかを先に伝えると、相手も、いま試されているのか単に急いでいるのかが分かります。相手が混乱しないので、方針として崩れません。

3. 案が間違っていたときの返し方

持ってきた案が的外れだったとき、否定して正解を言うと、次から持ってこなくなります。

返すのは、判断の材料のほうです。

正解を出すのではなく、抜けている観点を1つ足します。2回目に持ってくる案が変わっていれば、それで機能しています。

副次的な効果

このやり方を続けると、育つのは部下だけではありません。

質問を返して、相手の案に材料を足す作業を繰り返していると、自分がどう判断しているかが言語化されていきます。

三十年の経験は、たいてい本人の頭のなかで暗黙のままです。異動や引き継ぎで、それを紙に書こうとすると、多くの人は書けません。日々の受け答えのなかで整理されていた人だけが書けます。

まとめ

数か月で劇的に変わるものではありません。自分で判断して持ってくる回数が、少し増える程度です。