How to
役職定年が見えてきたときに、先に決めること
役職定年の年齢が、視界に入ってくる。
まだ数年ある。ただ、いつ来るかは分かっている。そして、来た日から役職手当がなくなり、部下がいなくなり、昨日まで自分が座っていた席に別の人が座る。
ここでいちばん重いのは収入の話ではありません。役割がなくなることを、事前に考えずに当日を迎えることです。
まず、事実を3つ確認する
不安の多くは、制度を知らないことから来ています。ここは調べれば分かります。
- 役職定年は何歳で、給与はどう変わるか。就業規則か人事に確認します。手当がなくなるだけなのか、基本給も下がるのか
- 定年と再雇用の条件。再雇用時の給与水準、雇用形態、業務内容。会社ごとに大きく違います
- 年金の見込み額。ねんきん定期便かねんきんネットで確認します
この3つで、いつ、いくら段差が来るかが具体的な数字になります。漠然とした不安が、特定の年の特定の金額に変わります。
次に、役割のほうを決める
収入の段差は計算できます。難しいのはこちらです。
役職があるあいだ、多くの人は「決める人」として扱われます。それがなくなったとき、自分が職場で何をする人なのかを、自分で定義していないと苦しくなります。
先に決めておく選択肢は、だいたい3つです。
- 専門で立つ。特定の領域で、若手が聞きに来る人になる。ただし知識の更新が要ります
- 渡す側に回る。教える、引き継ぐ、仕組みを残す。役職がなくてもできる仕事です
- 外に出る。転職、業務委託、独立。ただし50代の転職市場は厳しいので、準備の年数が要ります
どれを選ぶかで、いまからやることが変わります。決めずに当日を迎えると、残ったものを渡されます。
いまからできること
渡す練習をしておく
自分の判断の順番を、言葉にして残す作業です。役職があるうちのほうが、聞いてもらえます。
これは相手のためだけではありません。頭のなかにあるものを言語化しておくと、役職がなくなっても価値が残ります。
肩書き以外の関係を作る
役職があるあいだの人間関係には、役職に付いているものが混ざっています。なくなった瞬間に連絡が途絶える相手もいます。
社外の勉強会、業界の集まり、前職の同僚。肩書きと関係なく続く経路を、いまのうちに1つか2つ持っておくと、あとが違います。
学び直しを、間に合ううちに始める
役職定年後に何かを始めようとすると、収入が下がった状態で費用を出すことになります。会社の補助が使えるうちに動くほうが有利です。
資格取得の報奨金、研修費用の補助、法人契約の学習サービス。在職中しか使えない制度が、たいてい複数あります。
気をつけること
- 当日まで考えないのがいちばん重い。準備の有無で、同じ制度でも負担が変わります
- 収入だけで判断しない。役割がないまま席にいる時間は、金額以上に消耗します
- いまの部下に恨みを残さない。降りたあと、立場が入れ替わることがあります
- 周りと比べない。同期のなかで残る人と降りる人が分かれる時期です。ここで消耗する人が多い
まとめ
- 制度を3つ確認する。役職定年の条件、再雇用の条件、年金見込み
- 収入の段差は計算できる。難しいのは役割のほう
- 専門で立つ、渡す側に回る、外に出る。先に選ぶ
- 渡す練習と、肩書き以外の関係作りは、いまのうちに
- 学び直しは、会社の制度が使えるうちに始める
降りる日は決まっています。決まっていないのは、その後だけです。