Learning
40代からの学び直しで、20代と同じやり方をしない
若いころと同じやり方で勉強して、うまくいかず、自分の頭が悪くなったと結論づける。
40代以降の学び直しで、いちばん多い失敗です。
変わっているのは能力の総量ではなく、得意な覚え方のほうです。やり方を合わせれば、若いころより速く進む領域もあります。
減っているものと、増えているもの
| 減っている | 増えている |
|---|---|
| 意味のない記号を丸暗記する力 | 意味づけて覚える力 |
| まとまった学習時間 | 何が重要かを見分ける力 |
| 徹夜や詰め込みの体力 | 実務での具体例の在庫 |
| 同期と競う環境 | 使う場面が具体的に浮かぶこと |
20代の勉強法は、左の列を前提に組まれています。だから合いません。
1. 丸暗記の科目から始めない
科目に順番を選べるなら、理屈で説明できる分野から入ってください。
語呂合わせで数字を覚える種類の内容は、いまいちばん苦手な領域です。そこから始めると、最初の2週間で「もう歳だから」に着地します。
理解して積み上げる分野で先に手応えを得てから、暗記科目に入ったほうが続きます。
2. 実務の具体例に結びつける
これが40代以降の最大の武器です。
新しい用語が出てきたら、そのつど「うちの会社でいうと、あれのことか」と一言メモしてください。テキストの余白でかまいません。
- 簿記の勘定科目 → 自社のどの取引に当たるか
- 労務の規定 → 過去にもめた案件のどれに当たるか
- IT用語 → 情シスが去年入れたあの仕組みのことか
若い人はこの在庫を持っていません。同じテキストを読んでも、覚え方の効率が変わります。
3. 復習を、間隔を空けて短くやる
一度に長時間やって覚え込む方法は、体力的にも記憶の面でも効率が落ちます。
同じ範囲を、間を空けて短く繰り返すほうが残ります。
- その日の終わりに、覚えた項目を見出しだけ眺める(2分)
- 1週間後に、同じ範囲の問題だけ解き直す(10分)
- 1か月後に、間違えたものだけ見る(5分)
新しい範囲に進む時間を少し削ってでも、この復習を先に入れてください。進んだ量ではなく、残った量が試験で問われます。
4. 目が疲れる問題を、根性で処理しない
意外に効くのがこれです。
40代以降、テキストが読みにくいのは集中力ではなく目の問題であることがあります。
- 手元の見え方が変わっていないか。眼科で見てもらう
- 紙のテキストの文字が小さいなら、拡大コピーする
- 電子書籍にして文字サイズを上げる
- 明るさを上げる。夜の手元だけの照明は暗すぎることが多い
読むのがつらいから続かない、というのは意志の問題ではありません。
5. 若い人と比べない仕組みを作る
講座やスクールに通うと、同じ教室に20代がいます。進みが速いのを見ると、それだけで折れます。
比較対象は、先月の自分に固定してください。
- カレンダーにやった日の印だけ付ける
- 点数ではなく、解けるようになった項目数を数える
- SNSで他人の学習記録を見ない
やらないほうがいいこと
- 若いころの成功体験をなぞる。直前の詰め込みで通った経験は、いま再現できません
- 難関資格から始める。1年勉強して落ちると、自信は増えるどころか減ります
- 時間が取れないことを恥じる。平日30分は、この年代では十分な確保量です
- 体調を後回しにする。寝ていない状態での学習は、時間だけ消えます
まとめ
- 能力ではなく、得意な覚え方が変わっている
- 丸暗記の分野から始めない
- 実務の具体例と結びつける。これが最大の武器
- 間隔を空けた短い復習を、新しい範囲より優先する
- 読みにくさは、目の問題かもしれない
- 比較対象を先月の自分に固定する
若いころより時間はありません。ただ、何を覚えるべきかを見分ける力は上がっています。そこで勝負してください。