How to
教育費と住宅ローンが重なる時期の、考える順番
先にお断り
この記事は、考える順番の整理です。個別の金融商品や借入をすすめるものではありません。制度は改正されます。実際の判断は、公的機関の一次情報と、必要なら有料の専門家に確認してください。
教育費、住宅ローン、親の介護、自分の老後。
40代になると、この4つが同じ塊として頭に浮かびます。金額を足すと途方もない数字になって、考えるのをやめる。そしてまた夜に思い出す。
重く感じる原因は、金額そのものではありません。全部が同時に来ると思っていることです。
1. 縦軸を年、横軸を項目にして並べる
紙1枚で足ります。左に西暦と自分の年齢、上に項目を書きます。
| 年 | 自分 | 子 | 住宅 | 仕事 |
|---|---|---|---|---|
| 2027 | 48 | 高1 | 返済中 | — |
| 2030 | 51 | 大1 入学 | 返済中 | — |
| 2034 | 55 | 卒業 | 返済中 | 役職定年 |
| 2039 | 60 | — | 残債あり | 定年 |
書いてみると分かります。4つのうち、本当に重なっているのは2つか3つで、それも数年だけです。
2. 山がどこかを特定する
並べると、支出が集中する年が見えます。多くの場合、次のどれかです。
- 子の大学入学の年(入学金と初年度納付金が重なる)
- 子が2人いる場合、在学期間が重なる年
- 役職定年や再雇用で収入が下がる年
この山が何年後で、何年続くかが分かれば、対象は「漠然とした将来」から「2030年から4年間」に変わります。
3. 山の前に何ができるかを考える
ここまで来て初めて、打ち手の話になります。
- 山までの年数 × いま貯められる額。足りるのか、いくら足りないのかが計算できます
- 使える制度を調べる。教育資金の給付や貸与の制度は複数あり、要件も金額も改正されます。文部科学省や日本学生支援機構など、公的機関の最新情報で確認してください
- 会社の制度。教育関連の手当や貸付がある会社もあります。就業規則か人事に確認
4. 住宅ローンは、繰上返済を急がない判断もある
手元資金があると、繰上返済したくなります。ただ、教育費の山が近い場合は注意が必要です。
- 繰上返済したお金は戻せません。山の年に手元が薄いと、条件の悪い借入をすることになります
- 金利、残期間、山までの年数で答えが変わります。一般論で決められません
- 返済額軽減型と期間短縮型では、効き方が違います
金利水準と残高が分かれば試算できます。金融機関のシミュレーションや、公的機関の資料で確認してください。
5. 老後資金は、山を越えてから
教育費の山と老後資金を同時に積もうとすると、たいてい両方が中途半端になります。
順番としては、山を越えたあとに残る年数で老後を考えるほうが現実的です。子の卒業から定年まで、あるいは再雇用の終わりまで、何年あるかを先に数えてください。
ただし、公的年金の見込み額だけは先に確認しておいてください。ねんきん定期便かねんきんネットで数分です。ここを見ないまま老後を心配している人が非常に多い。
やらないほうがいいこと
- 合計額を出して眺める。数千万という数字は、判断の役に立ちません
- 不安なまま金融商品を検討する。順番が逆です。時期と金額を出してから
- 他人の記事の数字をそのまま使う。教育費も住宅費も、進路と地域で大きく変わります
- 生活防衛資金を投資や繰上返済に回す。山の年に手元がないのが、いちばん危ない
まとめ
- 重いのは金額ではなく、いつ何が重なるか知らないこと
- 年と項目の表を紙1枚で作る。所要30分
- 支出が集中する山と、その期間を特定する
- 山までの年数が分かって初めて、打ち手の話になる
- 年金の見込み額だけは先に確認する
表を作っても、金額が減るわけではありません。ただ、何年後に何が来るかが分かると、夜に思い出す回数が減ります。