How to
給料の話を切り出すときの、順番
給料の話は、切り出しにくい。
言えば評価が下がる気がするし、金のことばかり言う人だと思われたくない。そうして何年も言わないまま、毎年数千円ずつ上がる。
ただ、交渉より先にやることがあります。そもそも上げられる仕組みがあるのかの確認です。
1. 制度を調べる(交渉より先)
ここを飛ばして上司に言うと、多くの場合「制度上どうにもならない」で終わります。上司に権限がないことを、上司に頼んでいる状態です。
就業規則か賃金規程を見てください。閲覧できるようになっているはずです。確認するのは3つです。
- 等級と昇給の仕組み。等級が上がらない限り給与が動かない設計なら、話すべきは昇給ではなく昇格です
- 手当。資格手当、役職手当、住宅手当など、申請していないものがないか。申請忘れは意外に多い
- 評価と給与の連動。評価が上がると何がどれだけ変わるのか。連動していない会社もあります
この3つで、話す相手と話す内容が決まります。
2. 話すのは「昇給」ではなく「昇格の条件」
多くの日本企業では、給与は等級で決まります。等級が変わらないまま給与だけ上げるのは、上司の権限外です。
だから聞くのはこれです。
次の等級に上がるには、何が足りていませんか
この聞き方には利点が3つあります。
- 金額の話をしていないので、切り出しやすい
- 上司が答えられる範囲の質問になっている
- 答えが返ってくれば、次の1年の行動が決まる
答えが返ってこない、あるいは毎年同じ答えが返ってくる場合、それ自体が情報です。
3. 材料は先に用意する
交渉に持っていくのは、忙しさではなく事実です。
- 担当範囲が増えた事実(件数、担当者数、金額)
- 他の人がやっていない仕事を持っている事実
- 自分が抜けたときに困ることの一覧
「頑張っています」は通りません。「去年より件数が1.4倍で、単価も上がっています」は話が動きます。
言うタイミング
- 評価面談。制度上、ここが正規のルートです
- 期の変わり目。予算が動く前でないと反映されません
- 大きな案件が終わった直後。記憶が新しいうちに
逆に、期末の忙しい時期や、業績が落ちている時期は避けたほうが通ります。
それでも動かないとき
制度を調べ、昇格の条件を聞き、材料を出しても動かない場合、判断材料が揃ったことになります。
このとき初めて、外の相場を見る意味が出てきます。同じ職種の求人を20件見て、提示レンジを確認してください。いまの給与が相場より明確に低いなら、それは交渉ではなく市場の問題です。
ただし、転職の判断は給与だけで決めないでください。辞めたい理由と辞めるべき理由の切り分けは、別の記事にまとめています。
やらないほうがいいこと
- 他人の給与を引き合いに出す。ほぼ確実に空気が悪くなります
- 辞めるとほのめかす。一度使うと関係が変わります。本当に辞める準備ができているときだけ
- 感情で言う。金額の話は、事実だけで組み立てたほうが通ります
まとめ
- 交渉の前に、就業規則で等級・手当・評価連動を確認する
- 聞くのは昇給ではなく「次の等級に上がる条件」
- 持っていくのは忙しさではなく、件数や金額の事実
- タイミングは評価面談か期の変わり目
- 動かないなら、外の相場を20件見て判断材料にする
1回で上がることは、まずありません。条件を聞いて、翌年その条件を満たす。そこまでが1セットです。