How to
学んだことを、職場で使える形にする
本を読んでも、講座を受けても、翌週には元の仕事の仕方に戻っている。
学んだ量は増えているのに、何も変わっていない。この状態が続くと、勉強そのものが虚しくなります。
原因は理解度ではありません。出す場所を決めていないことです。
入れたものは、出さないと消える
読んだ直後は、自分が変わった気がします。ただ、翌日には具体的な業務が待っていて、そちらは従来のやり方で回っています。使う場面を自分で作らない限り、新しいやり方は一度も試されません。
試されなかったものは、知識としても定着しません。
1. 出す場所を、先に1つ決める
学び始める前、あるいは読み始める前に決めます。あとから探すと見つかりません。
- 次の定例会議で1回言う。いちばん軽い。5分で済みます
- 自分の担当業務で1回試す。範囲が小さいほど実行できます
- 後輩に1回説明する。説明できないものは理解できていません
- 資料の書き方を1つ変える。形として残るので、続きやすい
1つで足ります。複数決めると、どれもやりません。
2. 範囲を、自分の担当内に絞る
学んだ直後は、組織全体を変えたくなります。ここが最大の落とし穴です。
他部署や制度に及ぶ提案は、決裁が必要になり、たいてい止まります。1回止まると「この会社では無理だ」という結論に飛びます。
試すのは、自分の判断だけで完結する範囲にしてください。報告の書き方、会議での質問の出し方、資料の並べ方。ここなら誰の許可も要りません。
3. 用語から入らない
学んだことを職場で使うとき、覚えた言葉をそのまま持ち込むと浮きます。
× これがボトルネックです。制約理論では……
○ 塗装の前で毎回止まってるので、そこだけ先に手を打ちませんか
相手が知らない言葉を使うと、内容ではなく態度の話になります。翻訳してから出してください。翻訳できないなら、まだ自分のものになっていません。
4. 1回で判断しない
試して効かなかったからといって、その方法が悪いとは限りません。多くの場合、前提が違っただけです。
3回は試してください。3回やって効かなければ、自分の職場には合わないという結論でよい。
それでも使えないとき
学んだことが職場でまったく使えない場合、2つの可能性があります。
- 学ぶ対象が、いまの仕事とずれている。これはこれで問題ありません。転職や異動を前提に積んでいるなら、いま使えなくても構いません
- 職場側が変化を受け付けない。この場合は、使える場所を外に作るほうが早い。社外の勉強会、副業が可能なら小さな実践、あるいは転職
どちらなのかを見分けないまま「自分の理解が足りない」と結論づけると、勉強量だけが増えていきます。
まとめ
- 変わらない原因は理解度ではなく、出す場所を決めていないこと
- 学び始める前に、出す場所を1つだけ決める
- 試すのは、自分の判断で完結する範囲に絞る
- 覚えた用語をそのまま持ち込まない。翻訳してから出す
- 3回試して効かなければ、合わないと判断してよい
1冊読んで、翌週の会議で1回言う。それだけで、読んだことの残り方が変わります。