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資格を取ったのに、何も変わらなかったときに
半年かけて勉強して、受かった。会社に報告した。「おめでとう」と言われて、それで終わった。
仕事は変わらない。評価も変わらない。手当が少し付いた人もいれば、それもなかった人もいる。
虚しくなるのは当然です。ただ、これは失敗ではありません。資格は入口の鍵で、部屋の中で何をするかは別の話だった、というだけです。
なぜ、取っただけでは動かないのか
会社が人に仕事を割り当てるとき、見ているのは資格ではなく「この人に頼んだ実績があるか」です。
資格は、頼んでよさそうだという推測の材料にはなります。ただ、推測だけで新しい仕事は動きません。頼む側にもリスクがあるからです。
つまり、合格した時点で足りていないのは知識ではなく、頼まれた実績のほうです。
1. 資格を取ったことを、正しく伝える
報告はしたはずです。ただ、多くの場合こう伝わっています。
× 簿記2級を取りました。
○ 簿記2級を取ったので、月次の数字まわりで手伝えることがあれば言ってください。
前者は報告で、後者は申し出です。相手が次に何をすればいいかが書いてあるかどうかで、返ってくるものが変わります。
言う相手は、直属の上司だけにしないでください。実際に困っている部署のほうが、話が早いことがあります。
2. 小さく1回、使う場所を作る
大きな仕事を待っていると、何も来ないまま1年が過ぎます。
- 会議で、資格の範囲に関わる論点に1回だけ意見を出す
- いま自分が出している資料の作り方を、1か所だけ変える
- 後輩に、覚えた内容のうち1つだけ説明する
誰の許可も要らない範囲で構いません。「あの人はそれが分かるらしい」と一度でも認識されることが目的です。仕事はそのあとに来ます。
3. 半年たっても動かないなら、場所を疑う
ここまでやって何も変わらないなら、自分の努力の量ではなく、環境のほうを見てください。
- その資格を使う仕事が、そもそも社内にない。この場合は何年いても変わりません。転職や異動の材料として持っておく話になります
- 担当が固定されていて、動かす仕組みがない。公募や社内異動の制度があるか確認してください。制度があるのに知らない人は多い
- 評価に反映する規程がない。手当や昇格要件は就業規則に書いてあります。読んでいない人がほとんどです
3つとも、自分の頑張りでは動きません。動かないものを頑張り続けるのが、いちばん消耗します。
取ったこと自体は、減りません
いま何も変わらなくても、次のときに効きます。
- 求人票の応募条件を満たす。書類で落ちなくなる
- 異動や公募のときに、説明が要らなくなる
- 同じ分野を続けるとき、次の勉強が軽くなる
使う場面が来ていないだけで、失われてはいません。
やらないほうがいいこと
- すぐ次の資格を取りにいく。使っていない鍵が増えるだけです。まず1つ使ってから
- 評価されないことを、資格のせいにする。選んだ資格が悪いのではなく、使う場所がないだけのことが多い
- 取ったことを黙っている。言わない人のことは、誰も思い出しません
まとめ
- 足りていないのは知識ではなく、頼まれた実績
- 報告ではなく、申し出の形で伝える
- 許可の要らない範囲で1回使い、認識を作る
- 半年で動かないなら、自分ではなく環境を疑う
- いま効かなくても、取ったこと自体は減らない
受かった日にいちばん変わっているのは、たぶん会社ではなく、半年続けられた自分のほうです。