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投資を始める前に読む本

お金 10分で読めます

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最初にお断りしておくこと

このページは本の紹介です。投資助言ではなく、特定の商品や手法をすすめるものでもありません。投資は元本が減ることがあります。判断と結果は本人に帰属します。

ここで紹介する本には、主張が正反対のものが混ざっています。それは意図的です。1冊だけ読んで動くのが、この分野でいちばん危ないからです。

投資の本は、たいてい増やし方から書いてあります。

ただ、会社員が大きく損をするのは、増やし方を知らなかったからではありません。減り方と、借金の効き方を知らないまま始めたときです。

だからこの記事は、失敗の側から並べます。

まず、考え方を変える側の本

ロバート・キヨサキ(筑摩書房)

改訂版 金持ち父さん貧乏父さん

こんな夜に。給料以外の収入という発想が、そもそも自分のなかになかったと気づいたとき。

資産と負債を「お金を生むか、出ていくか」で分ける考え方が中心です。持ち家は資産か、といった問いの立て方は、読んだあとの家計の見方を確実に変えます。世界的なベストセラーで、この分野の共通言語になっているので、他の本を読むうえでの土台にもなります。

合わないかもしれない人:この本は考え方の本であって、手順書ではありません。具体的な数字や再現可能な方法はほとんど書かれていません。著者に関連するセミナーや教材が高額で販売されてきた経緯もあり、批判も多い本です。読んだ勢いで何かを契約しないでください。

橘玲(幻冬舎文庫)

新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方

こんな夜に。同じ収入でも手取りが違うのはなぜか、と考えはじめたとき。制度の隙間を知りたいとき。

税制や社会保険の仕組みの、制度設計上の歪みに注目した本です。持ち家と賃貸、法人化、保険といったテーマを、感情ではなく制度と数字で扱います。日本の会社員が置かれている構造が見えるので、読後に自分の立ち位置が把握しやすくなります。

合わないかもしれない人:制度は改正されます。書かれている個別の手法が現行制度で有効とは限らないので、必ず最新版を選び、実行前に専門家に確認してください。

本田健(だいわ文庫)

ユダヤ人大富豪の教え

こんな夜に。お金の本を読んでも、手法の話ばかりで疲れたとき。稼ぐことと、幸せでいることの関係が分からなくなったとき。

ハワイで出会った老富豪との対話形式で進みます。投資手法ではなく、お金との向き合い方が主題です。稼ぐ話と、使う話と、人との関わりが同じ地平で語られるので、数字の本を読む前の土台として効きます。文庫で読みやすく、通勤でも進みます。

合わないかもしれない人:具体的な手順や数字はほとんど出てきません。いま何をどう買うかを知りたい人には遠回りです。物語仕立てが苦手な人にも合いません。

株式でやるなら、先に古典を

個別株で勝つ方法の本は無数にありますが、会社員が本業をやりながら継続的に勝つのは簡単ではありません。まず、市場全体がどう動くかを扱った古典を読んでおくと、判断の基準ができます。

バートン・マルキール

ウォール街のランダム・ウォーカー

こんな夜に。個別株の情報を追うのに疲れたとき。何を信じればいいか分からなくなったとき。

半世紀にわたり版を重ねている古典です。過去のバブルと崩壊を具体的に追いながら、市場を出し抜くことの難しさを検証していきます。手数料とコストが長期でどれだけ効いてくるかを理解できるのが、いちばんの収穫です。

合わないかもしれない人:分厚く、翻訳書特有の読みにくさがあります。短期で成果を出したい人には否定的な内容です。

チャールズ・エリス

敗者のゲーム

こんな夜に。上の本が厚すぎるとき。もっと短く、要点だけ知りたいとき。

アマチュアのテニスでは、good playで勝つのではなくミスの少なさで勝敗が決まる。その比喩を投資に当てはめた本です。薄く、主張が明確なので、投資の考え方を短時間で入れたい人に向きます。

合わないかもしれない人:結論は上の本と近いので、両方読む必要は必ずしもありません。どちらか1冊で足ります。

不動産は、成功談より先に失敗事例を

ここだけは強く書きます。

会社員向けの不動産投資は、金融機関からの借入を伴う点で、株式とはリスクの性質がまったく違います。判断を1回間違えると、給与所得が何年も返済に拘束されます。

そして、会社員が狙われやすい分野でもあります。実際に大規模な事件が起きています。

大下英治

スルガ銀行 かぼちゃの馬車事件

こんな夜に。不動産投資のセミナーや営業を受けている、あるいはこれから受けるとき。「利回り保証」「家賃保証」という言葉を聞いたとき。

シェアハウス投資をめぐって、多数の会社員が多額の借入を負った事件のドキュメントです。資産状況の書類が改ざんされ、融資が実行されていった経緯が具体的に描かれています。どんな条件が並んだときに危ないのか、実例として頭に入ります。

合わないかもしれない人:投資手法を学ぶ本ではありません。あくまで、契約前に読む予防接種のような使い方です。

不動産投資そのものを否定するつもりはありません。実際に堅実に運用している人もいます。ただ、順番として失敗事例を先に読んでから、成功談を読むほうが、判断を誤りにくくなります。

読むときの最低限のチェックです。

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