Books
人間関係で消耗するとき、「嫌われる勇気」と「人は話し方が9割」のどちらを読むか
この記事にはプロモーションが含まれます。
人間関係の本は、棚に何十冊も並んでいます。そのなかで、この2冊は役割がはっきり違います。
『嫌われる勇気』は、頭のなかの消耗を減らす本。『人は話し方が9割』は、会話の場の消耗を減らす本です。どちらを読むかは、いまの消耗がどちら側にあるかで決まります。
2冊の違い
| 嫌われる勇気 | 人は話し方が9割 | |
|---|---|---|
| 扱うこと | これは誰の問題なのか、という線引き(課題の分離) | 相手が話しやすい状態を作ること。否定しない、まず聞く |
| 効く場面 | 帰宅後も、上司や同僚の評価が頭から離れない | 内容は正しいのに伝わらない。部下が本音を言ってこない |
| 形 | 哲人と青年の対話 | 1項目が数ページ。エピソード中心 |
| 合わない人 | 承認欲求の否定に反発が出る人。結論だけ知りたい人 | 交渉術や説得の技術を求める人 |
どちらを読むかは、1つの質問で決まる
いま消耗しているのは、頭のなかですか、会話の場ですか。
- 家に帰っても仕事のことを考えている。相手がどう思ったかが頭から離れない。→『嫌われる勇気』。会話の技術を足しても、頭のなかの消耗は減りません
- 話そうとすると空気が固くなる。言っているのに伝わらない。聞いても本音が出てこない。→『人は話し方が9割』。線引きの話をしても、会話の場そのものは変わりません
両方に当てはまる人は、先に『嫌われる勇気』です。先に線引きをして、持ち帰る量を減らしてから、実際にどう話すかを考えるほうが、順番として自然です。
1冊目の候補
嫌われる勇気
こんな夜に。家に帰っても仕事のことを考えてしまうとき。人間関係で消耗していて、折れた原因が特定の誰かとの関係にあるとき。
アドラー心理学を、哲人と青年の対話で解説した本です。実務で使えるのは課題の分離。相手がどう思うかは相手の課題だ、と線を引けると、持ち帰る量が減ります。反論役の青年が読者の代わりに食い下がるので、納得しないまま進まずに済みます。
合わないかもしれない人:結論だけ知りたい人。承認欲求の否定に、いま強く反発が出る人。主張には賛否があり、全部を受け入れる必要はありません。
人は話し方が9割
こんな夜に。言っている内容は間違っていないのに、相手が動かないとき。会話に苦手意識があり、雑談で消耗するとき。
会話が苦手な人に向けた本です。うまく話す技術ではなく、否定しない、まず聞く、相手が話しやすい空気を作る、というところから始まります。1項目が短く、活字が重い日でも1つだけ読めます。
合わないかもしれない人:交渉術や説得の技術を求める人。研究や理論の裏づけを求める人。すでに聞く姿勢が身についている人には確認作業になります。
読み方のコツ
嫌われる勇気
- 対話形式なので、青年の反論のほうに共感しながら読むのが正しい読み方です。哲人の言い分だけ拾うと、きれいごとに見えます
- 持ち帰るのは課題の分離だけで足ります。全部を受け入れる必要はありません
- 気を抜いて読んで構いません。どうにもならない時期ほど、力を入れすぎないほうがいい
人は話し方が9割
- 前半だけで足ります。話し方の技術より、相手の状態を先に見るという前提の部分に価値があります
- 後半は言い回しの例が続くので、必要になったときに戻る辞書として使う
- 全部を覚えようとすると、次に人と話すときに不自然になります。1つだけ選んで、次の会話で試す。これを2週間続けるほうが残ります
読んだ翌日にやること
- 嫌われる勇気を読んだなら。いま悩んでいることを1つ選んで、「これは誰の課題か」とだけ書く。解決は後でいい
- 人は話し方が9割を読んだなら。次の会話で、相手の話を最後まで聞く。否定の言葉を返さない。それだけ
まとめ
- 頭のなかの消耗は『嫌われる勇気』、会話の場の消耗は『人は話し方が9割』
- 両方に当てはまるなら、先に『嫌われる勇気』で線引きをする
- どちらも手順書ではない。持ち帰るのは、課題の分離と、まず聞く姿勢の1つずつ
- 全部受け入れなくていい。合わない箇所があっても、読む価値は落ちない