How to
部下に「辞めたい」と言われたとき、最初の30分でやること
「少しお時間いいですか」と呼ばれて、「辞めたいと思っています」と言われる。
頭が真っ白になります。何か言わなければと思って、言葉が出てきます。「なんで」「いま抜けられたら困る」「みんな大変なんだ」。
最初の30分でやることは、説得ではありません。聞くことと、結論を持ち帰ることです。
1. まず、受け止める
相手は、勇気を出して話しています。言う前に何週間も迷っていることが多い。
- 「話してくれてありがとう」
- 「そうか。そこまで考えていたんだね」
驚いた顔をしても構いません。反論や評価を口にしないことだけ、気をつけます。
2. 事実を聞く
理由を問い詰めるのではなく、事実を順に聞きます。
- 「いつ頃から、そう考えるようになった?」
- 「いまいちばん重いのは、どんなこと?」
- 「決め手になったことはある?」
「なぜ」を重ねると、責められているように聞こえます。「いつ頃から」「どんなこと」のほうが、答えやすい。
メモは取ります。取っていることを、見せてください。
3. その場で、結論を出さない
ここが一番、崩れやすいところです。
引き留めようとして、条件を出したくなります。「給料を見直す」「異動させる」「部署を変える」。その場で約束してしまうと、守れないことがあります。また、本人が決めていた場合には、かえって不信になります。
代わりに、こう言います。
「今日は聞くだけにさせてほしい。内容は私のなかで整理して、必要なら上にも相談する。明日(または◯日)に、もう一度話そう」
4. 持ち帰って、共有する
抱え込まないでください。上司や人事に、早めに共有します。ただし、本人に確認してからです。
- 「上にも伝えておきたいが、いいか」
- 「他のメンバーには、まだ伝えない」
退職の手続きや、引き継ぎの期間は、会社の規程によります。個別の判断をする前に、人事に確認してください。
やらないほうがいいこと
- その場で引き留めの条件を出す。約束は、検討したあとに
- 「みんな大変なんだ」と言う。本人の話が、なかったことになります
- 感情的に責める。「裏切るのか」は、あとで一番後悔する言葉です
- 他のメンバーに先に話す。本人の了承がない限り、話さない
引き留めるかどうかは、後で考える
聞いた内容を整理して、変えられることと、変えられないことに分けます。人手や配置の問題なら、動かせるかもしれません。本人の人生の選択なら、動かせません。
引き留められるかどうかより、聞いてもらえたと感じてもらえたかのほうが、結果としてあとに残ります。
まとめ
- 最初の30分は、説得ではなく、聞くこと
- 「いつ頃から」「どんなこと」と事実を聞く
- その場で条件を出さず、結論を持ち帰る
- 共有は、本人に確認してから。手続きは人事に