How to
引き継ぎ書に、手順より先に書いておくこと
異動や退職、役職定年が決まって、引き継ぎ書を書くことになる。机に向かうと、書けることが少ない。
手順は書けます。書けないのは、なぜそうするのかと、どの場面で変えるのかです。そこが、後任が一番困るところです。
手順書は、渡さなくても、誰かが作り直せます。判断の基準は、渡さないと、失われます。
1. 迷った場面から書き出す
いきなり「基準」を書こうとすると、抽象的になります。具体的な場面から始めます。
- この1年で、判断に迷った場面を3つ思い出す
- そのとき、どちらを選んだか
- なぜ、そちらを選んだか
3つで足ります。1つずつ書けば、全体の考え方が見えてきます。
2. 基準は、理由と一緒に書く
「Aの場合は、こうする」だけでは、似た別の場面に使えません。理由を添えます。
「Aの取引先は、納期より事前の連絡を重視する。だから、遅れそうなら、遅れが確定する前に電話で一報を入れる。数字の説明は、そのあとでいい」
理由があれば、後任は、書かれていない場面でも考えられます。
3. 相手先のことを書く
人の話は、手順書に出てきません。けれど、いちばん引き継がれるべきことです。
- 誰が、何に敏感か
- 決める人と、実際に動く人は誰か
- 前に揉めたことがあるか、その経緯
- いつ、どの頻度で連絡するのがよいか
書き方は、評価ではなく事実にします。「気難しい」ではなく、「午前中は会議で、連絡は午後が通りやすい」。
4. 「やらないと決めていること」を残す
これが、一番書かれていません。
- 過去に試して、うまくいかなかったこと
- 見えているが、手を付けなかったこと。その理由
- 断っている依頼と、断り方
後任は、前任が気づいていなかったと考えて、同じ失敗を繰り返します。やらなかったことにも、理由があったと伝わります。
書く時間のつくり方
まとめて書こうとすると、終わりません。
- 1日15分だけ、決まった時間に書く
- 1回に書くのは、場面1つか、相手先1つ
- 最後に、後任に1回読んでもらう。分からない箇所に印をつけてもらう
まとめ
- 手順より、判断の基準が失われる
- 迷った場面を3つ思い出し、選んだ理由を書く
- 相手先のことを、評価ではなく事実で書く
- やらないと決めていたことと、その理由を残す
- 1日15分ずつ、場面1つずつ