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Story

保険代理店の所長が、勉強の停滞期に、測り方と休み方を変えた話

保険代理店 所長・50代前半 学び直し

所長の大野は、ファイナンシャルプランナーの、勉強を、始めて、三か月が経った。

最初は、順調だった。問題集の、正答率が、日ごとに、上がった。

二か月目から、伸びが、止まった。

七十点の前後を、行ったり来たり、した。

三か月目、大野は、問題集を、開いて、ため息を、ついた。

自分には、向いていないのかもしれない。


その夜、妻が、聞いた。

「勉強、どうなの」

「止まった。やめようかと、思ってる」

妻は、コーヒーを、置いた。

「やめる前に、どこが、止まったのか、見てみたら」

大野は、苦笑いした。

「見ても、点数は、同じだ」

「点数じゃなくて」

妻は、ノートを、指さした。


翌日、大野は、点数以外の、ことを、数えた。

同じ問題を、解く時間。一か月前は、一問、四分。今は、二分半。

間違いの、種類。計算ミスは、減っている。用語の、取り違えが、増えている。

説明できる、用語の、数。一か月前は、三十個。今は、六十個。

点数は、変わらない。だが、中身は、確かに、動いていた。

大野は、少し、驚いた。


次に、やり方を、変えた。

問題集を、解くだけでは、なかった。

声に出して、説明する。妻に、一つの用語を、教える。

「これは、相続の、非課税枠でね」

妻は、聞いた。

「分かりやすい」

説明することで、取り違えていた用語が、はっきり、した。


三日、完全に、休んだ。

本も、問題集も、開かなかった。

戻ったとき、最低ラインを、決めた。一日、十分。それ以上は、やらない。

一週間後、大野は、模擬試験を、受けた。

八十点を、超えた。

三か月で、初めての、八十点だった。


その夜、大野は、手帳に、書いた。

停滞期は、止まったのではない。測り方が、合っていなかった。

その下に、続けた。

やり方を、変える。休む。最低ラインを、下げる。

翌週から、大野は、また、問題集を、開いた。

少しだけ、軽い気持ちだった。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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