悩みのテーマ セカンドキャリア・再雇用・定年後

Story

役職を離れた元課長が、月一回の三十分で、居場所をつくった話

分析機器メーカー 元課長・50代後半 キャリア

分析機器メーカーの、辻本は、役職定年で、課長を、外れた。

席は、島の、端に、移った。

会議に、呼ばれなく、なった。

後輩の、課長が、自分に、遠慮して、話す。

辻本は、思った。

自分は、もう、必要とされていない。

昼休み、一人で、弁当を、食べた。


そんなとき、若手の、杉山が、声を、かけた。

「辻本さん、前に、クレームの、対応で、うまく、収めていましたよね。あれ、どうやったんですか」

辻本は、少し、驚いた。

「聞きたいか」

「はい」

昼食後、三十分、話した。

杉山は、ノートを、取った。

辻本は、気づいた。

話すのは、嫌いじゃ、ない。


翌週、辻本は、紙に、書いた。

経験の、一覧。

失敗した、案件。うまくいった、型。取引先との、関係の、作り方。

十五個、並んだ。

課長に、相談した。

「月に一回、三十分、若手向けに、話してもいいか」

課長は、頷いた。

「ぜひ、お願いします」


初回は、五人が、集まった。

辻本は、最初に、言った。

「私の頃は、で、始めない。困っていることを、聞かせてほしい」

杉山が、手を、挙げた。

「見積もりの、断り方が、分かりません」

辻本は、自分の失敗談を、話した。

若手の、顔が、前を、向いた。


三か月後、勉強会は、十人に、増えた。

辻本は、若手から、AIの、使い方を、教わった。

手帳に、書いた。

役職は、外れても、渡せるものが、ある。

その下に、足した。

教える前に、聞く。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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