悩みのテーマ 中間管理職・板挟み

Story

ホテルの支配人が、板挟みを「三つの軸」で決めた話

ホテル 副支配人・40代後半 人間関係

ホテルの、副支配人、安藤は、支配人から、言われた。

「来月から、チェックインの、時間を、一時間、早める」

安藤は、頷いた。

ただ、フロントの、チーフ、吉田が、顔を、しかめた。

「それは、無理です。清掃が、間に合いません」

支配人は、売上の、ために、早めたい。

吉田は、現場が、回らないと、言う。

どちらも、正しかった。


安藤は、三日間、悩んだ。

支配人に、「無理です」とは、言えない。

吉田に、「やってくれ」とは、言えない。

決められないまま、日が、過ぎた。

その夜、ホテルの、ロビーで、ぼんやり、していた。

古い同僚の、元支配人が、通りかかった。

「何を、悩んでいる」

安藤は、話した。

元支配人は、少し、笑った。

「決める軸が、ないんだな」


元支配人は、紙に、三つ、書いた。

目的。影響の、大きさ。取り返せるか。

「目的は、何だ」

安藤は、考えた。

「お客様に、早く、部屋に入って、もらうこと。そして、売上」

「影響は」

「早めると、清掃が、間に合わない。お客様が、待つことに、なる。体験が、下がる」

「取り返せるか」

「一度、悪い評判が、つくと、取り返しにくい」

元支配人は、頷いた。


翌日、安藤は、支配人に、相談した。

「チェックインの、前倒しですが、目的は、お客様の、満足と、売上、と理解しています」

支配人は、頷いた。

「ただ、清掃が、間に合わないと、お客様を、待たせる。それは、取り返しにくい。代案を、考えました」

安藤は、案を、示した。

「全室ではなく、上位の、部屋だけ、一時間、早める。まず、一か月、試す」

支配人は、少し、考えた。

「それなら、いい」


安藤は、吉田にも、伝えた。

「全室ではなく、上位の部屋だけ。一か月、試す。理由は、目的と、影響と、取り返しやすさで、判断した」

吉田は、息を、吐いた。

「それなら、できます」

一か月後、結果を、振り返った。

清掃の、遅れは、出なかった。上位の部屋の、満足度は、上がった。

安藤は、手帳に、書いた。

決める軸を、持つ。目的、影響、取り返せるか。

その下に、足した。

決めたら、理由を、双方に、返す。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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