悩みのテーマ 中間管理職・板挟み

Story

情報システム部の課長が、「決定ログ」を残して、板挟みの責任を整理した話

情報システム 課長・40代後半 人間関係

情報システム部の課長、永井は、部長の、部屋で、立っていた。

「先月の、システム更新の、期限だが、なぜ、延びた」

永井は、答えた。

「先月、部長から、品質を、優先してほしいと、うかがって」

「そんなことは、言っていない」

永井は、言葉に、詰まった。

確かに、聞いたと、思っていた。

ただ、メモは、なかった。


席に、戻ると、部下の、広田が、不満そうに、待っていた。

「課長、先月、期限を、守れと、言われましたよね」

「いや、品質を、優先と」

「私は、期限と、聞いていました」

永井は、頭が、真っ白に、なった。

上からも、下からも、言った言わないで、責められた。

その夜、永井は、居酒屋で、ビールを、あおった。

記録を、残していなかった。

それが、全ての、原因だった。


翌日から、永井は、ノートを、作った。

日付。依頼内容。決定と理由。関係者。

四つだけ。

部長から、依頼を、受けたら、その日のうちに、三分で、書く。

最初の、記録は、こうだった。

十一月二日。部長より、システム更新の、期限を、十一月末に、前倒し、の依頼。

決定。十一月二十日に、設計を、確定。ただし、テストは、一部、後日。

理由。役員会の、資料に、使うため。

共有。チーム全員、朝礼で、伝達。


一か月後、同じような、場面が、来た。

部長が、言った。

「テストの範囲は、どうなっている」

永井は、ノートを、開いた。

「十一月二日の、記録です。一部のテストは、後日に、すると、決めました」

部長は、記録を、見た。

「ああ、そうだった」

言った言わないの、争いは、起きなかった。


部下に、対しても、同じだった。

「期限の変更は、先週の、金曜に、共有しました。朝礼の、記録が、あります」

広田は、納得して、頷いた。

永井は、手帳に、書いた。

間に立つ人は、記録を、持つ。

その下に、足した。

感情は、書かない。事実だけ。一件五行。その日のうちに。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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