課長が匿名の三問で部下に聞いたら、「ため息」と書かれていた話
自分では、丁寧に、指示しているつもりだった。部下が書いたのは、課長の、ため息だった。
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電子機器メーカーの、設計課長、白井は、毎日、反省していた。
資料の、誤字。
説明の、順番。
提出の、遅れ。
自分で、気づける点は、直してきた。
ところが、会議では、部下が、あまり、発言しない。
白井は、困っていた。
理由が、分からない。
自分は、何も、悪くないと、思っていた。
同期の、課長に、相談した。
同期は、言った。
「君の会議、一度、見てもいいか」
翌週、同期は、白井の会議に、同席した。
終わった後、同期は、メモを、見せた。
「君は、部下の発言の途中で、うなずきながら、結論を、先に言っている」
白井は、驚いた。
「それは、話を、早く進めるために」
「部下には、聞く気がない、ように、見える」
もう一つ、あった。
「質問した後、二秒で、自分で、答えている」
白井は、言葉が、出なかった。
自分では、親切のつもりだった。
部下が、答えを、探している間に、助け舟を、出していた。
だが、部下には、考える時間が、なかった。
白井は、次の会議で、変えた。
質問した後、五秒、待つ。
発言の途中で、うなずきながら、結論を、言わない。
最後まで、聞く。
三回目の会議で、若手の、一人が、初めて、自分から、手を挙げた。
「少し、別の案が、あるのですが」
白井は、手帳に、書いた。
自分では、見えない癖が、ある。
その下に、足した。
他人の目で、補う。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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