課長が匿名の三問で部下に聞いたら、「ため息」と書かれていた話
自分では、丁寧に、指示しているつもりだった。部下が書いたのは、課長の、ため息だった。
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損害保険会社の、営業係長、杉本は、課長に、聞いた。
「私の、改善点は、ありますか」
課長は、少し、考えて、言った。
「特に、ないよ。頑張ってる」
杉本は、礼を言って、席に、戻った。
本当に、ないのか。
それとも、言いにくいのか。
分からなかった。
先輩に、相談した。
「聞き方が、漠然としているんだ」
先輩は、続けた。
「範囲を、絞れ。時期を、選べ。短く、聞け」
杉本は、翌週、試した。
課長が、会議を、一つ終えた後で、五分だけ、時間を、もらった。
「先週の、顧客への、提案の説明で、直す点を、一つだけ、教えていただけますか」
課長は、考えて、答えた。
「そうだな。数字の根拠が、後半に、集中している。最初に、一言入れると、聞き手は、安心する」
杉本は、メモを、取った。
さらに、聞いた。
「早さと、丁寧さでは、どちらを、優先すべきでしたか」
課長は、笑った。
「今回は、丁寧さだな。顧客は、数字を、気にしていた」
具体的な、指摘だった。
杉本は、その場では、反論しなかった。
「ありがとうございます」と、頭を下げた。
一週間、数字の根拠を、冒頭に、入れる、説明を、三回、試した。
一週間後、課長に、報告した。
「教えていただいたことを、三回、試しました。顧客の反応が、変わりました」
課長は、嬉しそうだった。
その後、課長のほうから、声をかけてきた。
「次の、提案、どう組み立てる」
杉本は、手帳に、書いた。
範囲を絞って、聞く。
その下に、足した。
一週間後に、試した結果を、報告する。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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