指摘を山ほど受けた係長が、直す点を三つに絞って、報告した話
上司の指摘を、全部、直そうとして、疲れ切った。事実と解釈に分けたら、直す点は、三つだった。
読むStory
物流会社の、配送課長、大野は、部下に、聞いた。
「私に、直してほしいところは、あるか」
部下は、全員、首を、横に、振った。
「ありません」
大野は、安心した。
だが、その後、先輩の課長に、言われた。
「部下は、上司に、本音を、言えない。聞き方を、変えろ」
大野は、匿名の、アンケートを、作った。
質問は、三つ。
私の指示で、分かりにくいことは。
もっと、やってほしいことと、やめてほしいことは。
相談しにくい場面は。
アンケートには、先に、書いた。
「結果を見て、一つ、必ず、変えます」
回収箱は、休憩室の、隅に、置いた。
一週間後、大野は、箱を、開けた。
十二人の、回答が、あった。
指示の、分かりにくさ。
朝礼の、長さ。
そして、三枚、同じことが、書かれていた。
「課長の、ため息が、気になります」
大野は、手が、止まった。
ため息。
自分では、気づいていなかった。
疲れた時に、つい、出ていた。
部下の一人は、書いていた。
「ため息を、つかれると、忙しいのかと、思って、相談できなくなる」
大野は、胸が、痛んだ。
自分の癖が、部下の、相談を、止めていた。
大野は、朝礼で、言った。
「アンケート、ありがとう。一番、多かった、ため息を、直します。気づいたら、教えてくれ」
部下たちは、少し、笑った。
一か月後、ため息は、減った。
気づいた時は、部下が、そっと、指を、一本、立てるようになった。
大野は、手帳に、書いた。
匿名で、聞く。
その下に、足した。
聞いた後、必ず、一つ、変える。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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