地方銀行の支店長代理が、会議の前の五分で、一言を書いておいた話
会議が始まってから、考えていた。五分前に、三つだけ決めたら、言葉が出た。
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プロデューサーの原田は、三日かけた企画書を、クライアントに、見せた。
「方向が、少し、違いますね」
担当者の、言葉に、原田の背中が、冷たくなった。
三日分の、作業。全部の、作り直し。
それが、三度目だった。
帰り道、原田は、先輩の佐伯に、愚痴を、こぼした。
「完成度を、上げてから、見せているのに」
佐伯は、笑った。
「完成させてから、見せるから、直しが、大きくなるんだ」
「未完成を、見せるのは、失礼では」
「失礼なのは、方向が違うものを、完成させることだ」
原田は、返事に、困った。
翌週、新しい企画が、始まった。
原田は、三割の時点で、見せることにした。
最初の日の夕方、目的と、案の骨組みだけを、一枚にまとめた。
細かい文章は、入れなかった。画像も、仮のままだった。
担当者に、電話した。
「五分だけ、見ていただけますか。方向だけ、確認したいんです」
「もう、見せてもらえるんですか」
「骨組みだけです。確認したいのは、一つです。結論を、コスト削減に置いて、よいでしょうか」
担当者は、少し、考えた。
「実は、コスト削減よりも、新規顧客の獲得が、今回の目的です」
原田は、息を、止めた。
最初の日に、分かった。
その日の夜、原田は、骨組みを、作り直した。
翌日の午前、もう一度、見せた。
「これなら、方向は、合っています」
担当者は、頷いた。
残りの二日間は、細部の、詰めに、使えた。
企画が、通った日、原田は、佐伯に、報告した。
「三割で、見せました。初日に、方向が、ずれていると、分かりました」
「だろう」
「未完成を、見せるのは、礼儀に、反しない」
佐伯は、頷いた。
原田は、手帳に、書いた。
見せる日を、仕事を始める前に、決める。
その横に、小さく、足した。
三割。方向だけ。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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時間の話を先に並べています。
会議が始まってから、考えていた。五分前に、三つだけ決めたら、言葉が出た。
読む全部を引き受けて、全部が遅れた。一覧にして、順番を上司に返した。
読む毎回、一日、遅れた。腕の問題では、なかった。見積もりの型が、なかった。
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