悩みのテーマ 割り込み・見積もり・手戻り・週の進め方 関連 残業・時間・抱え込み

Story

市役所の係長が、割り込みを「受ける・待たせる・渡す」に分けた話

市役所 係長・40代前半 時間

係長の森田は、十七時を過ぎてから、自分の仕事を、始めていた。

昼間は、声をかけられる。窓口の、相談。上司の、確認。同僚の、質問。

全部に、答えていた。断る理由が、なかった。

その代わり、自分の資料は、残業の時間に、進める。

「また、遅くまで、ですか」

後輩の佐藤が、帰り際に、言った。

森田は、苦笑いした。


その週末、森田は、手帳に、割り込みを、数えた。

一週間で、四十二回。

中身を、見ると、すぐ必要なものは、六回だった。今日中でいいものが、二十回。他の人の担当が、十六回。

森田は、ペンを、止めた。

自分が、答えなくていいものを、ほとんど、受けていた。


翌週の月曜、森田は、三つに、分けた。

受ける。待たせる。渡す。

声をかけられたら、三つだけ、聞くことにした。いつまでに、必要か。自分でないと、いけないか。今やらないと、何が起きるか。

午前九時、同僚の高橋が、言った。

「森田さん、この書類の様式、これでいいですか」

森田は、聞いた。

「いつまでに、必要ですか」

「明日の、午前です」

「十五時に、まとめて見ます。それでも、いいですか」

高橋は、頷いた。


十時には、集中時間を、置いた。

森田は、周りに、伝えた。

「十時から十一時は、期限の近い資料を、進めます。緊急のときは、電話をください」

誰も、嫌な顔は、しなかった。

その一時間で、資料は、半分、進んだ。


窓口から、相談が来た。

「他の課の、手続きの質問なんですが」

森田は、受話器を、置いて、言った。

「それは、担当の課に、渡します。連絡先を、お伝えします」

相手は、丁寧に、礼を、言った。


一か月後、森田は、十七時に、席を立った。

後輩の佐藤が、驚いた。

「今日は、早いですね」

「割り込みを、三つに、分けただけだよ」

「それだけ、ですか」

「それだけ。昼間に、集中時間を、作った」

森田は、カバンを、持った。

階段を、降りながら、思った。

答えることが、仕事だと、思っていた。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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