地方銀行の支店長代理が、会議の前の五分で、一言を書いておいた話
会議が始まってから、考えていた。五分前に、三つだけ決めたら、言葉が出た。
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係長の森田は、十七時を過ぎてから、自分の仕事を、始めていた。
昼間は、声をかけられる。窓口の、相談。上司の、確認。同僚の、質問。
全部に、答えていた。断る理由が、なかった。
その代わり、自分の資料は、残業の時間に、進める。
「また、遅くまで、ですか」
後輩の佐藤が、帰り際に、言った。
森田は、苦笑いした。
その週末、森田は、手帳に、割り込みを、数えた。
一週間で、四十二回。
中身を、見ると、すぐ必要なものは、六回だった。今日中でいいものが、二十回。他の人の担当が、十六回。
森田は、ペンを、止めた。
自分が、答えなくていいものを、ほとんど、受けていた。
翌週の月曜、森田は、三つに、分けた。
受ける。待たせる。渡す。
声をかけられたら、三つだけ、聞くことにした。いつまでに、必要か。自分でないと、いけないか。今やらないと、何が起きるか。
午前九時、同僚の高橋が、言った。
「森田さん、この書類の様式、これでいいですか」
森田は、聞いた。
「いつまでに、必要ですか」
「明日の、午前です」
「十五時に、まとめて見ます。それでも、いいですか」
高橋は、頷いた。
十時には、集中時間を、置いた。
森田は、周りに、伝えた。
「十時から十一時は、期限の近い資料を、進めます。緊急のときは、電話をください」
誰も、嫌な顔は、しなかった。
その一時間で、資料は、半分、進んだ。
窓口から、相談が来た。
「他の課の、手続きの質問なんですが」
森田は、受話器を、置いて、言った。
「それは、担当の課に、渡します。連絡先を、お伝えします」
相手は、丁寧に、礼を、言った。
一か月後、森田は、十七時に、席を立った。
後輩の佐藤が、驚いた。
「今日は、早いですね」
「割り込みを、三つに、分けただけだよ」
「それだけ、ですか」
「それだけ。昼間に、集中時間を、作った」
森田は、カバンを、持った。
階段を、降りながら、思った。
答えることが、仕事だと、思っていた。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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時間の話を先に並べています。
会議が始まってから、考えていた。五分前に、三つだけ決めたら、言葉が出た。
読む全部を引き受けて、全部が遅れた。一覧にして、順番を上司に返した。
読む完成してから見せるのが、礼儀だと思っていた。直しが、いつも、大きかった。
読む毎回、一日、遅れた。腕の問題では、なかった。見積もりの型が、なかった。
読む事実を聞いたつもりだった。部下には、犯人探しに聞こえていた。
読む打ち上げは、毎回やった。振り返りは、一度もやらなかった。
読む任せたはずだった。毎日、席の後ろを通っていた。
読む全部を速くした。全体は、まったく速くならなかった。
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