地方銀行の支店長代理が、会議の前の五分で、一言を書いておいた話
会議が始まってから、考えていた。五分前に、三つだけ決めたら、言葉が出た。
読むStory
月曜の朝、営業企画の西村の机に、依頼が、四件、重なった。
営業部長の、資料。課長の、データ集計。他部署の、会議資料。経理への、確認。
全部、急ぎと、言われた。
西村は、全部、引き受けた。
断る理由が、見つからなかった。
金曜の夕方、四件は、四件とも、遅れた。
営業部長は、不満そうに、言った。
「もう少し、早く、できないのか」
西村は、頭を下げた。
帰り道、思った。
全部、引き受けた自分が、悪いのか。それとも、全部が急ぎなのが、おかしいのか。
答えは、出なかった。
翌週の月曜、また、依頼が、来た。
西村は、今度は、紙に書いた。
依頼者。期限。おおよその時間。
そして、各依頼に、二つ、添えた。いつまでに必要か。遅れたら、何が起きるか。
営業部長の、資料。水曜の午前。会議の資料が、間に合わない。
課長の、データ集計。金曜の午後。月次報告が、遅れる。
他部署の、会議資料。来週の火曜。影響は、小さい。
経理への、確認。今週中。遅れると、請求に、支障。
四行になった。
西村は、その紙を、直属の上司の、中島のところに、持って行った。
「いま、四件、抱えています。期限と、影響を、並べました。どの順番で、進めるのが、よいでしょうか」
中島は、紙を、じっくり、見た。
「部長の資料が、最優先だな。次に、経理。課長のデータは、金曜までなら、間に合う」
「他部署の資料は」
「来週で、いい。私から、連絡しておく」
西村は、少し、拍子抜けした。
こんなに、簡単だった。
水曜の午前、部長の資料は、間に合った。
経理への確認も、木曜に、終わった。
金曜の午後、課長のデータも、提出できた。
中島が、通りがかりに、言った。
「紙一枚で、だいぶ、整理できたな」
「はい。自分で、決めなくて、いいと分かりました」
「いい。決められる人に、材料を渡す。それも、仕事だ」
西村は、その紙を、引き出しに、しまった。
次に、依頼が重なったら、また、書く。
手帳に、書いた。
全部を、引き受けない。並べて、返す。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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時間の話を先に並べています。
会議が始まってから、考えていた。五分前に、三つだけ決めたら、言葉が出た。
読む完成してから見せるのが、礼儀だと思っていた。直しが、いつも、大きかった。
読む毎回、一日、遅れた。腕の問題では、なかった。見積もりの型が、なかった。
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