悩みのテーマ 疲れ・気疲れ・休み方 関連 夜も頭から離れない・休めない・切り替え

Story

食品メーカーの課長が、大きな発注ミスのあと、四つの順番で動いた話

食品メーカー 課長・40代前半 疲れ

課長の村井は、納品書の数字を、二度、見直した。

発注数が、一桁、多かった。

千個のはずが、一万個になっていた。

取引先の、倉庫に、すでに、届いている。

頭が、真っ白になった。

指先が、冷たくなった。


村井は、深く、息を吸った。

紙を一枚、取り出した。

事実を、三行、書いた。

発注数を、千個のところ、一万個で入力。昨日の夕方、出荷済み。取引先の倉庫に、納品済み。

文字にすると、少し、見え方が、変わった。

影響は、誰に。取引先の倉庫の、スペース。返品の、手間。費用。

村井は、立ち上がった。


部長のところに、行った。

「発注ミスを、しました。数量が一桁、違っていました」

部長は、顔を上げた。

「いつ、気づいた」

「いま、です。納品済みで、取引先の倉庫に、あります」

「対応は」

「取引先への連絡と、返品の手配を、いまから、進めます。一時間後に、状況を、ご報告します」

部長は、頷いた。

「分かった。私も、同行する」


取引先の担当者に、電話した。

村井は、事実と、対応を、順に、話した。

「発注数量の入力を誤り、千個のところ、一万個を納品しました。ご迷惑をおかけしております。差分の九千個は、明日の午前までに、回収します。費用は、弊社で負担します」

言い訳は、しなかった。

担当者は、少し、黙って、言った。

「分かりました。連絡が、早くて、助かります」


夜、村井は、自宅で、ノートを、開いた。

反省は、後にした。

明日やることを、三つ、書いた。

朝一で、回収の車を、手配する。経理に、費用の報告を、する。再発防止は、来週、考える。

書き終えると、少し、肩の力が、抜けた。

風呂に入り、早めに、眠った。


一週間後、村井は、確認の手順を、一つ、足した。

発注の入力のあと、別の人が、数量を、読み上げる。

部下の、小林が、言った。

「課長、これなら、私も、安心です」

村井は、頷いた。

ミスは、消えない。ただ、人格の問題では、なかった。手順の問題だった。

手帳の最後に、村井は、書いた。

事実。対応。謝罪。再発防止。順番を、間違えない。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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