悩みのテーマ 疲れ・気疲れ・休み方 関連 夜も頭から離れない・休めない・切り替え

Story

旅行会社の営業課長が、夜の気がかりを紙に出して、朝九時に回した話

旅行会社 営業課長・40代後半 疲れ

夜の一時。営業課長の石田は、天井を見ていた。

団体旅行の、キャンセルの件。部下の、見積もりのミス。来月の、数字。

考えるのを、やめようと思うほど、頭は、冴えた。

スマホを、手に取った。メールを、確認した。余計に、目が覚めた。


翌朝、石田は、寝不足のまま、出社した。

同僚の安藤が、コーヒーを、差し出した。

「顔色、悪いな」

「夜、考えちゃってな」

「紙に、出してみたらどうだ」

石田は、笑った。

「紙?」

「頭の中のものを、全部、書き出す。俺は、それで、少し楽になった」


その夜、石田は、ノートを、枕元に置いた。

十分間、気がかりを、書いた。

キャンセル。見積もり。数字。部長の、一言。自分の、焦り。

整理は、しなかった。単語を、並べただけだった。

書き終えて、見ると、思ったより、少なかった。

頭の中では、もっと、大きく、見えていた。

その中から、一つだけ、選んだ。

明朝、キャンセルの件を、先方に、電話する。

ノートを、閉じた。


寝ようとして、また、数字が、頭に、浮かんだ。

石田は、心の中で、言った。

明日の朝九時に、考える。

不思議と、浮かんだものは、そのまま、流れていった。

その夜は、一時間、遅れて、眠れた。


三日目の朝、石田は、ノートを、開いた。

昨夜の気がかりのうち、二つは、朝には、小さくなっていた。

キャンセルの電話は、先方の担当者が、思ったより、あっさり、了承してくれた。

石田は、安藤に、報告した。

「夜は、まだ、浅いけどな」

「それでも、いいだろう」

「うん。気がかりを、置いて、寝るようになった」

ノートの端に、石田は、小さく、書いた。

考えない、のではない。後ろに、送る。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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