定年後に、月数万円を稼ぐ道を、経験から探した課長の話
大きく稼ぐ必要は、なかった。小さな収入と、役割が、暮らしを、変えると、知った。
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総合商社の、管理課長、石橋は、部下の、堀川の、遅刻が、増えていることに、気づいた。
三か月前までは、几帳面な、社員だった。
最近は、週に、二回、遅れる。
石橋は、苛立ちかけた。
だが、先輩の、言葉を、思い出した。
「背景を、見ろ。叱るだけでは、悪化する」
石橋は、面談を、設けた。
石橋は、責めずに、聞いた。
「最近、眠れているか」
堀川は、少し、驚いた顔で、言った。
「……あまり、眠れていません」
「朝が、特に、つらいか」
「はい。起きようと、しても、体が、動かなくて」
石橋は、病名を、聞かなかった。
詮索もしなかった。
ただ、聞いた。
「仕事で、負担に、なっていることは、あるか」
堀川は、小さな声で、答えた。
「担当の案件が、増えて。夜、考えてしまって」
石橋は、頷いた。
「会社の、産業医に、一度、話してみないか。強制ではない。一つの、選択肢だ」
堀川は、迷った。
「受診した、ことは、他の人に、知られますか」
石橋は、答えた。
「あなたの、同意なく、情報は、共有しない。約束する」
堀川は、産業医に、相談した。
結果は、石橋には、詳細は、伝えられなかった。
ただ、「当面、時差出勤を、配慮してほしい」と、本人から、希望が、あった。
石橋は、人事と、相談して、一か月間、始業時刻を、一時間、遅らせた。
期間を、決めて、見直す約束も、した。
二か月後、堀川の、睡眠は、少しずつ、戻った。
遅刻は、なくなった。
時差出勤は、通常に、戻った。
石橋は、手帳に、書いた。
遅刻の背景に、体調が、あることがある。
その下に、足した。
病名は、聞かない。産業医へ、つなぐ。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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