定年後に、月数万円を稼ぐ道を、経験から探した課長の話
大きく稼ぐ必要は、なかった。小さな収入と、役割が、暮らしを、変えると、知った。
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損害保険会社の、営業課長、杉原は、部下の、大島の、遅刻に、苛立っていた。
「いつも、遅い」
そう、思っていた。
ある日、大島に、言いかけた。
「君は、いつも、遅れる」
そこで、先輩に、止められた。
「いつも、というのは、印象だ。記録は、あるか」
杉原は、答えられなかった。
翌月から、杉原は、記録を、つけた。
日付。遅れた時間。連絡の有無。本人の説明。
一か月、続けた。
月末に、見返した。
遅刻は、十八日の、出社日のうち、五日。
「いつも」では、なかった。
さらに、日付を、見て、気づいた。
五日のうち、四日は、火曜と木曜だった。
杉原は、記録を、持って、大島と、面談した。
責める口調では、なかった。
「今月の、遅れた日を、一緒に、見たい」
表を、見せた。
大島は、少し、驚いた顔で、見ていた。
「この、火曜と木曜が、多いようだ。何か、思い当たることは、あるか」
大島は、少し、間を、置いて、答えた。
「実は、火曜と木曜は、子どもを、保育園に、送る日で」
杉原は、驚いた。
大島は、遅刻の理由を、言い出せなかったのだ。
「妻が、その曜日は、早朝勤務で。送りに、時間が、かかるんです」
杉原は、「教えてくれて、ありがとう」と、言った。
「火曜と木曜は、始業を、三十分、遅らせて、終業を、三十分、延ばす形に、できないか。人事に、相談する」
大島の、顔に、安堵が、浮かんだ。
その後、時差出勤が、認められた。
遅刻は、ゼロに、なった。
杉原は、手帳に、書いた。
いつもは、印象。
その下に、足した。
記録を、本人と一緒に、見る。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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キャリアの話を先に並べています。
大きく稼ぐ必要は、なかった。小さな収入と、役割が、暮らしを、変えると、知った。
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