推測が外れた課長が、すぐに認めて、会話が深まった話
「お疲れのようですね」と言ったら、否定された。そこで、言い訳をしなかったことが、よかった。
読むStory
設備工事会社の、総務課長、柏木の、ところに、研修サービスの、営業が、来た。
初対面だった。
営業は、柏木の顔を、見て、言った。
「お忙しい、お立場ですよね」
「ええ、まあ」
「周りに、気を使って、ご自分を、後回しに、されていませんか」
柏木は、思わず、頷いた。
営業は、続けた。
「将来にも、少し、不安が、おありでしょう」
柏木は、驚いた。
この人は、自分を、分かっている。
営業は、続けた。
「そういう、あなたに、ぴったりの、サービスが、あります」
研修プログラムの、パンフレットが、出てきた。
年間の、契約。
「今日、お決めいただければ、特別価格に、なります」
柏木は、少し、ためらった。
その時、ふと、思い出した。
先日、読んだ、記事。
コールドリーディング。
柏木は、聞き返した。
「先ほど、私が、周りに、気を使っていると、おっしゃいましたが、何を、見て、そう思われましたか」
営業は、一瞬、言葉に、詰まった。
「ええと、お話を、伺っていて、そう感じまして」
「具体的には、どの点で」
営業は、笑ってごまかした。
「経験上、管理職の方は、皆さん、そうですので」
柏木は、気づいた。
誰にでも、当てはまる、言葉だった。
具体的な、日付も、数字も、固有名詞も、出ていない。
自分が、頷いた反応に、合わせて、話が、変わっていた。
最後は、商品の話に、導かれていた。
「今日は、決めません」
柏木は、言った。
「書面を、いただけますか。社内で、検討します」
営業は、少し、渋い顔をした。
後日、柏木は、別の研修会社と、比較した。
結局、そのサービスは、見送った。
手帳に、書いた。
当たっていると感じたら、具体性を、確かめる。
その下に、足した。
その場で、決めない。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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