「あなたのことが、分かります」と言った営業を、課長が聞き返して見抜いた話
初対面なのに、分かってくれていると、感じた。聞き返したら、具体的なことは、何も出てこなかった。
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建設資材メーカーの、生産課長、桜井は、部下の、原田の、報告に、毎回、三十分、かかった。
原田は、真面目だった。
経緯を、最初から、順番に、話す。
要点は、最後の、二分、だった。
桜井は、時計を、気にしながら、聞いていた。
自由に話してもらうほど、長くなった。
先輩の、課長に、聞いた。
「報告を、短くする方法は、ないか」
先輩は、言った。
「はい・いいえで、聞いてみろ」
「それでは、本音が、出ないのでは」
「最初に、要点を、つかむ。深めるのは、その後だ」
桜井は、試すことにした。
翌日、原田が、報告に、来た。
桜井は、言った。
「予定通り、進んでいるか」
「はい」
「困っていることは、あるか」
「はい。一つ、あります」
「期限には、間に合いそうか」
「少し、厳しいです」
「私の判断が、必要な点は、あるか」
「はい。外注するかどうか、です」
二分で、要点が、つかめた。
桜井は、続けた。
「困っていることを、教えてくれ」
オープンな、質問に、切り替えた。
原田は、答えた。
「検査の工程で、人手が、足りません」
桜井は、頷いた。
「外注の、見積もりを、取ろう。今日中に、頼む」
五分で、決まった。
声は、穏やかに、した。
詰問に、ならないよう、「状況を、知りたいので」と、添えた。
一か月後、報告の時間は、平均五分に、なった。
原田も、言った。
「聞かれることが、分かっているので、準備しやすいです」
桜井は、手帳に、書いた。
最初は、はい・いいえ。
その下に、足した。
はいの後は、オープンに、深める。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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