「あなたのことが、分かります」と言った営業を、課長が聞き返して見抜いた話
初対面なのに、分かってくれていると、感じた。聞き返したら、具体的なことは、何も出てこなかった。
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印刷会社の、営業課長、岩田は、取引先の、担当者、山本に、会った。
山本は、いつもより、静かに、見えた。
岩田は、観察から、仮説を、立てた。
疲れているのかも、しれない。
「山本さん、少し、お疲れの、ようですね」
山本は、少し、驚いた顔で、言った。
「いえ、むしろ、今週は、落ち着いて、います」
岩田は、一瞬、焦った。
外した。
岩田は、先日、読んだ、記事を、思い出した。
外れたら、すぐ認める。言い訳をしない。
「失礼しました。違いましたね」
岩田は、笑って、言った。
「では、今週は、どのような、ご状況ですか」
山本は、肩の力を、抜いたように、見えた。
「実は、来月の、展示会の、準備が、ようやく、一段落したところで」
岩田は、続けた。
「展示会、ですか。どのような、内容ですか」
山本は、嬉しそうに、話し始めた。
新製品の、お披露目。
ブースの、デザイン。
配布する、資料の、印刷物。
「パンフレットを、今、作っているのですが、少し、迷っていて」
岩田は、身を、乗り出した。
「よろしければ、一緒に、考えさせてください」
外れた、推測が、話の、入口に、なった。
もし、言い訳を、していたら、どうなっていたか。
「いや、そう、見えたもので」
と、押し通していたら、気まずい、空気が、残ったはずだ。
岩田は、帰り道、思った。
外れは、情報だ。
山本の、関心事が、分かった。
後日、展示会用の、パンフレットの、印刷を、受注した。
岩田は、手帳に、書いた。
外れたら、すぐ認める。
その下に、足した。
実際を、聞く。そこから、話を、続ける。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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