悩みのテーマ 同調圧力・社会的証明・規範づくり

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事業部長が、無記名の一票で、言えなかった懸念を拾った話

医療機器販売会社 事業部長・50代前半 人間関係

医療機器販売会社の、事業部長、森山は、新規事業の、計画を、会議にかけた。

「懸念は、ありますか」

誰も、手を挙げなかった。

ただ、森山は、違和感を、覚えていた。

あまりに、静かだった。


会議の後、森山は、人事の、先輩に、相談した。

「反対意見が出ないのは、問題がないからか」

先輩は、首を、振った。

「言えないだけかもしれない」

「どうすれば、出てくる」

「紙に、書かせる。名前なしで」


翌日、森山は、同じ参加者に、無記名の、アンケートを、配った。

質問は、二つ。

この計画に、懸念はあるか。

あるなら、何か。

回収して、集計した。

十二人中、四人が、「懸念あり」と、書いていた。

全員が、頷いた会議だった。


懸念の内容は、似ていた。

営業の人員が、足りない。

新製品の教育に、時間が、かかる。

現場の人たちは、薄々、感じていた。

誰も、言えなかった。


森山は、次の会議で、順番を、変えた。

立場が下の人から、話してもらう。

「教育の時間を、見積もると、三か月かかります」

若手が、初めて、口を、開いた。

森山は、「教えてくれて、ありがとう」と、言った。

計画は、半年、延期された。

教育の人員も、増やされた。


半年後、事業は、予定通り、立ち上がった。

森山は、手帳に、書いた。

全員一致は、疑う。

その下に、足した。

反対した人に、感謝する。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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