工場長が、「うちの当たり前」を一枚に書いて、新人に渡した話
古参の背中を見て覚える、は、悪い癖も、写してしまう。良い当たり前を、紙にして見せた。
読むStory
食品メーカーの、製造課長、田代は、設備更新の、会議を、開いた。
案は、部長が、先に、出した。
「この機種に、替えたい」
田代が、聞いた。
「ご意見は、ありますか」
誰も、手を挙げなかった。
「では、全員、賛成ということで」
会議は、十五分で、終わった。
廊下で、田代は、気づいた。
入社三年目の、岡本が、浮かない顔をしていた。
会議中、一度だけ、口を、開きかけていた。
何も、言わなかった。
田代は、その様子を、思い出した。
夜、田代は、調べた。
同調圧力。
アッシュの実験では、答えが明らかな問いでも、周りが全員間違えると、多くの人が、一度は、合わせた。
答えが、あいまいなときは、さらに、そうだ。
上の人が、先に言うと、もっと、言いにくくなる。
田代は、会議を、思い返した。
部長が、先に言った。
反対すれば、目立つ。
自分も、一言も、疑問を、出さなかった。
翌朝、田代は、岡本を、呼んだ。
「昨日の会議、気になることは、なかったか」
岡本は、少し、迷ってから、言った。
「あの機種は、洗浄が、手間なんです。清掃の時間が、今より、三十分、増えます」
田代は、息を、呑んだ。
誰も、気づいていなかった。
田代は、部長に、報告した。
別の機種との、比較を、行うことになった。
後日、洗浄の手間が少ない機種が、選ばれた。
田代は、手帳に、書いた。
全員一致は、疑う。
その下に、足した。
言えなかった人が、いないか、聞きに行く。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
Stories
人間関係の話を先に並べています。
古参の背中を見て覚える、は、悪い癖も、写してしまう。良い当たり前を、紙にして見せた。
読む会議では、全員が、頷いた。紙に、書かせたら、三分の一が、不安と書いていた。
読む一人で始めると、浮いて見える。二人目ができた日から、営業所の空気が変わった。
読む注意しても、増えなかった。実施している人の割合を、そのまま貼ったら、少しずつ、動いた。
読む正確な説明は、伝わる説明とは限らない。社長の言葉に、直したら、承認が下りた。
読む急がされた時ほど、一度止まる。一晩の間に、契約書の中の、見落としが見えた。
読む飾るのではなく、整える。姿勢と挨拶と一言で、新しい職場の空気は、少し、やわらいだ。
読む当てられると、人は気を許す。種を知った課長は、当てることをやめて、確かめることにした。
読む悩みのテーマ