悩みのテーマ 認知バイアス・ファスト&スロー・行動経済学 関連 同調圧力・社会的証明・規範づくり

Story

全員が賛成した会議のあとで、課長が、一人だけ違う顔に気づいた話

食品メーカー 製造課長・40代後半 人間関係

食品メーカーの、製造課長、田代は、設備更新の、会議を、開いた。

案は、部長が、先に、出した。

「この機種に、替えたい」

田代が、聞いた。

「ご意見は、ありますか」

誰も、手を挙げなかった。

「では、全員、賛成ということで」

会議は、十五分で、終わった。


廊下で、田代は、気づいた。

入社三年目の、岡本が、浮かない顔をしていた。

会議中、一度だけ、口を、開きかけていた。

何も、言わなかった。

田代は、その様子を、思い出した。


夜、田代は、調べた。

同調圧力。

アッシュの実験では、答えが明らかな問いでも、周りが全員間違えると、多くの人が、一度は、合わせた。

答えが、あいまいなときは、さらに、そうだ。

上の人が、先に言うと、もっと、言いにくくなる。

田代は、会議を、思い返した。

部長が、先に言った。

反対すれば、目立つ。

自分も、一言も、疑問を、出さなかった。


翌朝、田代は、岡本を、呼んだ。

「昨日の会議、気になることは、なかったか」

岡本は、少し、迷ってから、言った。

「あの機種は、洗浄が、手間なんです。清掃の時間が、今より、三十分、増えます」

田代は、息を、呑んだ。

誰も、気づいていなかった。


田代は、部長に、報告した。

別の機種との、比較を、行うことになった。

後日、洗浄の手間が少ない機種が、選ばれた。

田代は、手帳に、書いた。

全員一致は、疑う。

その下に、足した。

言えなかった人が、いないか、聞きに行く。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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