悩みのテーマ コールドリーディング・話術

Story

転勤したばかりの課長が、最初の三十秒を整えて、新しい職場に入った話

物流会社 営業所長・40代後半 人間関係

物流会社の、営業所長、川上は、転勤で、新しい営業所に、着任した。

部下は、二十人。

全員が、初対面だった。

前の営業所長は、慕われていたと、聞いた。

川上は、前日の夜、眠れなかった。


着任当日。

川上は、五分前に、営業所に着いた。

靴を、磨いてきた。

資料は、すぐ出せるように、鞄の上段に、入れた。

ドアの前で、一度、息を吸った。

背筋を、伸ばす。

口角を、少し、上げる。


朝礼で、川上は、言った。

「本日から、着任しました、川上です」

全員の目を、順に、見た。

「お時間をいただき、ありがとうございます」

それから、続けた。

「皆さんと、お会いするのを、楽しみにしていました」

飾らなかった。

余計な、自慢話も、しなかった。


挨拶の後、川上は、一人ずつ、名前を、呼んで、声をかけた。

「谷口さん、よろしくお願いします」

「野村さん、よろしくお願いします」

覚えるのは、大変だったが、前日に、名簿を、見ていた。

名前を呼ばれた部下の顔が、少し、緩んだ。


一週間後、事務の女性が、言った。

「所長が来て、雰囲気が、柔らかくなりました」

川上は、驚いた。

特別なことは、していない。

手帳に、書いた。

最初の三十秒は、整える。

その下に、足した。

悪い印象は、行動で、取り戻せる。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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