物流センターの所長が、「気をつけよう」をやめて、点検表を作った話
注意喚起の貼り紙は、十枚あった。ミスは、減らなかった。
読むStory
樹脂成形工場の、製造課長、奥田は、不良の多さに、悩んでいた。
毎月の、会議で、原因を、挙げる。
型の、汚れ。温度の、ばらつき。
材料の、水分。作業者の、慣れ。
どれも、もっともらしかった。
対策も、十個、決まった。
実行は、追いつかない。
現場は、疲れていった。
あるとき、品質担当の、若手が、言った。
「課長、不良の、件数を、原因別に、数えてみませんか」
奥田は、渋った。
「全部、分かっている」
若手は、静かに、言った。
「分かっているつもり、かもしれません」
三か月分の、記録を、集めた。
原因別に、数えた。
寸法の、ずれ。四十二件。
ばりの、発生。二十八件。
傷。十四件。
その他。十六件。
パレート図に、した。
寸法と、ばりで、七割。
奥田は、息を、のんだ。
自分の、頭の中の、原因の、順番と、違っていた。
寸法のずれは、金型の、温度が、一定でないことが、主な原因だった。
ばりは、金型の、合わせ面の、摩耗。
二つに、集中して、対策した。
温度計を、追加し、点検の間隔を、短くした。
金型の、合わせ面を、整備した。
二か月後、不良は、半分になった。
奥田は、手帳に、書いた。
数えると、効く原因が、見える。
その下に、足した。
直すのは、上位から。残りは、後でいい。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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注意喚起の貼り紙は、十枚あった。ミスは、減らなかった。
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