物流センターの所長が、「気をつけよう」をやめて、点検表を作った話
注意喚起の貼り紙は、十枚あった。ミスは、減らなかった。
読むStory
システム開発会社の、課長、東は、営業から、依頼を、受けた。
「画面の、追加、なんですが。二日で、できますよね」
東は、少し、考えた。
頭の中で、二日という数字が、離れなかった。
「まあ、三日あれば」
営業は、笑顔で、帰っていった。
三日後。
作業は、半分も、終わっていなかった。
東は、チームに、頭を、下げた。
「見積もりが、甘かった」
後輩の、野村が、言った。
「二日と、聞いた瞬間、それが基準に、なりましたよね」
東は、その言葉に、引っかかった。
アンカリング。最初の数字に、引っ張られる。
自分が、まさに、そうだった。
次の、依頼が、来た。
今度は、営業が、先に、言った。
「一週間で、お願いできますか」
東は、首を、振った。
「その数字は、一度、忘れさせてください。内容を、見せてください」
チームを、集めた。
東は、言った。
「各自、紙に、日数を、書いてください。同時に、出します」
五人の、数字は、八日から、十五日まで、ばらついた。
次に、作業を、分けた。
画面の、設計。データベースの、変更。テスト。レビュー。手戻りの、予備。
一つずつ、積み上げると、十二日だった。
東は、営業に、伝えた。
「十二日です。内訳は、こちらです」
営業は、少し、驚いた。
「一週間が、十二日、ですか」
「過去の、似た案件は、平均で、十一日でした」
営業は、納得して、顧客に、伝えた。
納品は、十二日で、終わった。
東は、手帳に、書いた。
先に聞いた数字は、頭から、外す。自分の数字を、積み上げる。
その下に、足した。
見積もりは、紙に書いて、同時に出す。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
Stories
時間の話を先に並べています。
注意喚起の貼り紙は、十枚あった。ミスは、減らなかった。
読むマーフィーの法則は、笑い話ではなかった。準備した人だけが、笑っていられた。
読む数字では、成果が小さかった。やめてみて、初めて、誰かの役に立っていたと、分かった。
読む原因は、十個あった。数えたら、効く原因は、二つだった。
読む機械が止まり、担当が休み、顧客から電話が来た。全部を、一度にやろうとしなかった。
読む全員に同じ時間を使っていた。数字を並べたら、時間の使い方が、逆だった。
読む全員が、忙しいと、言っていた。本当に、忙しいのは、二人だけだった。
読む「一か月だけ」が、半年に、なった。戻ったとき、居場所が、なかった。
読む悩みのテーマ