遅刻が三回から一回に減った月に、課長が数字で認めた話
当たり前だと、思っていた。何も言わなければ、改善は、止まっていたかもしれない。
読むStory
建設会社の、現場課長、石黒は、毎朝、安全確認を、していた。
「安全確認は、大丈夫ですか」
作業員は、全員、答えた。
「大丈夫です」
だが、ある日、一人が、保護具を、つけずに、作業していた。
幸い、事故には、ならなかった。
石黒は、背筋が、寒くなった。
大丈夫ですか、と、聞いても、実際は、確認できていなかった。
先輩の、安全担当者に、相談した。
先輩は、言った。
「漏れてはいけない確認は、はい・いいえで、一項目ずつ、聞け」
石黒は、確認項目を、質問に、変えた。
「保護具は、着用していますか」
「機械の電源は、切ってありますか」
「周囲に、人がいないことを、確認しましたか」
一項目一問。
最初の朝、石黒は、声に出して、聞いた。
「保護具は、着用していますか」
全員が、「はい」と、答えた。
次に、聞いた。
「どこで、確認しましたか」
根拠を、聞いた。
一人が、首を、傾げた。
「あれ、ヘルメットの、顎ひもが」
その場で、直した。
「いいえ」の、時の、対応も、決めた。
責めずに、すぐ、対応する。
作業を、止める権限は、全員に、ある。
原因は、仕組みで、見る。
「保護具の置き場所が、遠かった」
という、原因が、見つかり、置き場所を、変えた。
形骸化を、防ぐために、質問者を、毎日、交代した。
項目も、月に一回、見直した。
三か月後、保護具の、未着用は、ゼロに、なった。
石黒は、手帳に、書いた。
大丈夫ですか、では、確認できない。
その下に、足した。
一項目一問。根拠も、聞く。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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