情報システム課長が、「いつもの警報」を、今日は確認した話
何度も鳴って、何も起きなかった警報だった。今日だけ、見に行くことにした。
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部品商社の、課長、内田は、反省会で、つい、言った。
「だから、言ったのに」
納期が、一週間、遅れた。
原因は、仕入先の、生産の、遅れ。
担当の、早川は、うつむいた。
「申し訳ありません。気づけなくて」
内田は、続けた。
「兆候は、あっただろう。なぜ、気づかなかった」
会議室が、静まり返った。
夜、内田は、自分の、言葉を、思い返した。
兆候は、あっただろう。
本当に、そうか。
自分は、事前に、気づいて、いたか。
当時の、メールを、見返した。
仕入先から、「順調です」と、連絡が、来ていた。
自分も、その、メールを、見て、安心していた。
結果を、知ってから、見ると、兆候に、見える。
当時は、見えなかった。
後知恵バイアス。
翌週、内田は、もう一度、会議を、開いた。
「責めるためでは、ありません。あの時点で、私たちに、何が、見えていたか、書き出しましょう」
ホワイトボードを、二つに、分けた。
左は、「当時、見えていた、情報」。
右は、「後から、分かった、情報」。
左には、仕入先の、順調ですという、連絡が、あった。
右には、仕入先が、別の、大口案件を、抱えていた。
早川が、言った。
「あの会社の、他の顧客の、状況は、こちらから、見えないです」
内田は、頷いた。
「では、見えるように、するには、どうする」
出た、案は、三つ。
発注の、一週間前に、進捗を、数字で、確認する。
仕入先を、二社に、分ける。
遅れの、報告を、早く、出した人を、評価する。
次の、案件では、一週間前の、確認で、遅れの、兆候が、見つかった。
別の、仕入先に、切り替えて、納期は、守れた。
内田は、手帳に、書いた。
結果を、知ってからの、分かっていたは、当てにならない。
その下に、足した。
責める前に、当時の情報を、見る。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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