悩みのテーマ 部下の育て方・指示の出し方 関連 認知バイアス・ファスト&スロー・行動経済学

Story

部品工場の課長が、遅刻の多い部下を、「性格」で、決めなかった話

部品工場 課長・40代後半 人間関係

部品工場の、課長、森山は、ため息を、ついた。

部下の、石井が、また、遅刻した。

今月、三回目。

「だらしない奴だ」

つい、口に、出た。

隣の、係長が、言った。

「でも、石井さん、夜勤の、応援も、してくれていますよ」

森山は、聞き流した。


昼休み、森山は、自分の、手帳を、見た。

先週、森山自身も、会議に、十分、遅れていた。

あのとき、自分は、どう、考えたか。

前の会議が、延びたから。仕方が、なかった。

自分の遅刻は、状況の、せい。

石井の、遅刻は、性格の、せい。

森山は、動きを、止めた。

どこかで、読んだ。

基本的帰属の誤り。他人の、失敗は、性格のせい。自分の、失敗は、状況の、せい。


森山は、石井を、会議室に、呼んだ。

「怒る、つもりは、ない。三回の遅刻、何があったのか、教えてくれないか」

石井は、少し、迷ってから、話した。

「実は、先月から、子どもの、送迎を、しています。妻が、病院に、通い始めて」

森山は、息を、のんだ。

「保育園が、八時半から。工場の、始業が、八時半で」

「そうだったのか」


森山は、考えた。

石井の、問題では、なく、始業時間の、仕組みの、問題でも、ある。

総務と、相談して、時差出勤を、導入した。

始業は、九時でも、八時でも、選べる。

石井は、九時に、した。

遅刻は、なくなった。


他の、社員からも、礼を、言われた。

「前から、そうしてほしかった」

森山は、手帳に、書いた。

遅刻は、性格より、状況を、先に、聞く。

その下に、足した。

同じ物差しで、自分も、見る。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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