情報システム課長が、「いつもの警報」を、今日は確認した話
何度も鳴って、何も起きなかった警報だった。今日だけ、見に行くことにした。
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加工食品メーカーの、課長、大塚は、部下の、岸本を、見るたび、思った。
やっぱり、やる気が、ない。
会議で、黙っている。
質問を、しない。
昨日は、定時に、帰った。
大塚は、手帳に、書いた。
岸本。積極性、低い。
ある日、同期の、課長に、愚痴を、こぼした。
同期は、聞いた後で、言った。
「お前、岸本さんの、いいところ、何か、言える?」
大塚は、言葉に、詰まった。
「いいところ。うーん」
同期は、笑った。
「それは、確証バイアスだ。そう思うと、そう見える証拠ばかり、集まる」
大塚は、反論したかった。
でも、できなかった。
その夜、大塚は、紙に、書いた。
岸本の、やる気が、あるとしたら、どんな事実が、あるか。
思い出そうと、して、驚いた。
あった。
製造ラインの、不具合を、最初に、見つけた。
後輩の、新人に、手順書を、作っていた。
会議で、話さない代わりに、会議の後に、メモで、改善案を、送ってくれていた。
返信を、していなかった。
翌日、大塚は、岸本に、聞いた。
「改善案、読んだ。どれも、いいと、思った。会議で、話してもらえると、助かる」
岸本は、少し、顔を、赤くした。
「話すのが、苦手で。でも、書くのは、好きです」
大塚は、頷いた。
「では、会議の前に、書いて、送ってもらえるか。私が、読み上げる」
三か月後、岸本の、改善案が、二つ、採用された。
大塚は、手帳に、書いた。
決めつけたら、反対の事実を、探す。
その下に、足した。
やる気は、見えるところだけで、決めない。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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