リフォーム会社の営業が、見積もりの残りをスタンプカードにした話
二十件、と思うと、最初の一件で手が止まる。
読むStory
調剤薬局の、管理薬剤師、永井は、部下の、横山が、元気がないことに、気づいていた。
仕事は、正確だった。ただ、笑わなくなった。
「横山さん、頑張ろう。君なら、できる」
何度か、そう、声を、かけた。
横山は、そのたびに、「はい」と、小さく、返した。
永井は、自分の、励ましが、届いていないと、感じた。
昼休み、永井は、薬局の、後輩の、坂口に、愚痴を、こぼした。
「励ましても、効かない」
坂口は、少し、考えて、言った。
「励ます前に、聞いて、みたらどうですか」
「聞いてる、つもりだが」
「話の途中で、アドバイスを、していませんか」
永井は、返す言葉が、なかった。
その日の、終業後、永井は、横山に、声を、かけた。
「少し、話を、聞かせてくれないか」
横山は、ためらいながら、頷いた。
最初は、世間話だった。
横山が、ぽつりと、言った。
「最近、同じ仕事ばかりで、成長して、いない気が、して」
永井は、助言を、飲み込んだ。
「成長して、いないと、感じているんだな」
「はい。毎日、同じ処方箋を、さばいている、だけで」
「それは、物足りないな」
横山が、顔を、上げた。
「そうなんです」
永井は、続けた。
「そう気づけるところが、伸びる人の、特徴だと、思う」
横山は、目を、見開いた。
「そう、でしょうか」
「ああ。君は、患者さんへの、服薬の説明が、丁寧だ。あれは、誰にでも、できることじゃ、ない」
横山は、少し、照れた。
「ありがとう、ございます」
その後、永井は、月に二回、聞く時間を、取った。
横山は、少しずつ、話すように、なった。
三か月後、横山が、言った。
「在宅の、服薬指導を、やってみたいです」
永井は、すぐに、頷いた。
「面談の予定を、組もう」
横山の、顔には、前より、明るい、色が、戻っていた。
永井は、手帳に、書いた。
励ます前に、聞く。受け止め、要約し、感情に、触れる。
その下に、足した。
強みは、事実として、言葉にする。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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