部下の大きなミスに、課長が「報告してくれて、ありがとう」から始めた話
最初の一言を、決めておいた。責める言葉は、出ずに済んだ。部下は、翌週、席に戻った。
読むStory
食品加工会社の、製造課長、斎藤は、商品の、ラベルの、表示ミスを、起こした。
賞味期限の、印字が、一日、ずれていた。
担当した、部下の、岩田に、言った。
「気をつけて、くれ」
岩田は、深く、頭を、下げた。
三か月後、同じミスが、起きた。
今度は、別の、部下、佐野だった。
斎藤は、気づいた。
人を、替えても、同じことが、起きる。
原因は、人では、ない。
先輩の、課長に、相談した。
先輩は、言った。
「なぜを、五回、重ねてみろ」
斎藤は、ホワイトボードに、書いた。
なぜ、賞味期限が、ずれたか。
前日の、ラベルの、データが、残っていた。
なぜ、残っていたか。
印字機の、設定が、手動で、更新されていた。
なぜ、手動か。
システムが、古く、自動更新ができない。
なぜ、手動での、更新を、確認する人が、いないか。
ダブルチェックの、仕組みが、ない。
なぜ、ない。
以前の、担当者が、口頭で、教えていた。
五回、重ねて、見えた。
岩田も、佐野も、悪くなかった。
誰がやっても、同じ条件なら、起きた。
斎藤は、対策を、決めた。
印字の前に、設定画面の、日付を、写真に、撮る。
別の人が、その写真を、確認して、サインする。
その日から、写真と、サインの、手順を、始めた。
一か月後、表示ミスは、ゼロだった。
岩田は、言った。
「責められなくて、助かりました」
斎藤は、手帳に、書いた。
誰が、でなく、どこで、止められたか。
その下に、足した。
気をつけるでは、直らない。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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最初の一言を、決めておいた。責める言葉は、出ずに済んだ。部下は、翌週、席に戻った。
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