機械部品商社の課長が、高いシステムを入れても、残業が減らなかった話
画面は新しくなった。承認の紙は、そのまま残っていた。
読むStory
縫製工場の、社長、川上は、決算書を、見て、首を、かしげた。
売上は、前年の、一割増。
利益は、ほとんど、変わらなかった。
「注文は、増えたのに、なぜだ」
経理の、小林が、静かに、答えた。
「私にも、はっきりとは」
その夜、川上は、紙に、四つ、書いた。
待ち。手戻り。在庫。値引き。
漏れ先を、探すときの、四つの、分け方だった。
翌日、現場を、一日、歩いた。
まず、待ち。
裁断の、終わった布が、縫製ラインの前で、半日、止まっていた。縫製が、前の工程の、遅れを、待っていた。
川上は、ストップウォッチで、数えた。待ち時間は、一日に、合計で、二時間。
次に、手戻り。
仕上げの、検品で、縫い目の、やり直しが、一日に、十枚ほど、出ていた。
やり直しにかかる時間は、一枚、十五分。
一日で、二時間半。
在庫を、見た。
倉庫に、使われていない、生地が、積まれていた。以前の、注文の、余りだった。
最後に、値引き。
納期に、間に合わなかった、注文には、お客様に、値引きをしていた。月に、五件。
川上は、四つを、金額に、直してみた。
待ち。月に、約三十万円。手戻り。月に、約四十万円。在庫。保管に、月に、約十万円。値引き。月に、約二十万円。
合計、約百万円。
利益が、残らない理由が、見えた。
川上は、一番大きい、手戻りから、手を、つけた。
検品の、やり直しの原因を、調べた。
縫い目の、ずれが、多かった。原因は、裁断の、寸法の、わずかなずれ。
裁断の、後に、寸法を確認する工程を、一つ、足した。
二週間後、やり直しは、一日に、三枚に、減った。
次に、待ち。裁断と、縫製の、順番を、調整して、止まる時間を、半分にした。
三か月後、利益は、前年の、二倍に、近づいた。
川上は、小林に、言った。
「漏れていたのは、一か所じゃ、なかったな」
「はい。でも、一番大きいところから、直せば、よかったんですね」
川上は、手帳に、書いた。
待ち。手戻り。在庫。値引き。
その下に、足した。
人を責めない。仕組みを、直す。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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時間の話を先に並べています。
画面は新しくなった。承認の紙は、そのまま残っていた。
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