悩みのテーマ ルールを変える・システム導入・全体最適 関連 残業・時間・抱え込み

Story

縫製工場の社長が、「出せるはずの利益」の漏れ先を、四つに分けて探した話

縫製工場 社長・50代前半 時間

縫製工場の、社長、川上は、決算書を、見て、首を、かしげた。

売上は、前年の、一割増。

利益は、ほとんど、変わらなかった。

「注文は、増えたのに、なぜだ」

経理の、小林が、静かに、答えた。

「私にも、はっきりとは」


その夜、川上は、紙に、四つ、書いた。

待ち。手戻り。在庫。値引き。

漏れ先を、探すときの、四つの、分け方だった。

翌日、現場を、一日、歩いた。

まず、待ち。

裁断の、終わった布が、縫製ラインの前で、半日、止まっていた。縫製が、前の工程の、遅れを、待っていた。

川上は、ストップウォッチで、数えた。待ち時間は、一日に、合計で、二時間。


次に、手戻り。

仕上げの、検品で、縫い目の、やり直しが、一日に、十枚ほど、出ていた。

やり直しにかかる時間は、一枚、十五分。

一日で、二時間半。


在庫を、見た。

倉庫に、使われていない、生地が、積まれていた。以前の、注文の、余りだった。

最後に、値引き。

納期に、間に合わなかった、注文には、お客様に、値引きをしていた。月に、五件。

川上は、四つを、金額に、直してみた。

待ち。月に、約三十万円。手戻り。月に、約四十万円。在庫。保管に、月に、約十万円。値引き。月に、約二十万円。

合計、約百万円。

利益が、残らない理由が、見えた。


川上は、一番大きい、手戻りから、手を、つけた。

検品の、やり直しの原因を、調べた。

縫い目の、ずれが、多かった。原因は、裁断の、寸法の、わずかなずれ。

裁断の、後に、寸法を確認する工程を、一つ、足した。

二週間後、やり直しは、一日に、三枚に、減った。

次に、待ち。裁断と、縫製の、順番を、調整して、止まる時間を、半分にした。


三か月後、利益は、前年の、二倍に、近づいた。

川上は、小林に、言った。

「漏れていたのは、一か所じゃ、なかったな」

「はい。でも、一番大きいところから、直せば、よかったんですね」

川上は、手帳に、書いた。

待ち。手戻り。在庫。値引き。

その下に、足した。

人を責めない。仕組みを、直す。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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