動くべき問題と、待てばよい問題を、課長が三つの問いで切り分けた話
全部に、すぐ動こうとして、疲れていた。待っても、いいものがあると、知らなかった。
読むStory
保険会社の、支社課長、片山は、顧客への、説明を、間違えた。
後日、訂正の、電話を、入れた。
顧客は、怒らなかった。
「大丈夫ですよ」
そう、言われた。
それなのに、片山は、その夜から、何日も、眠れなかった。
あの、電話の声。
自分の、説明の、言葉。
何十回も、頭の中で、再生した。
妻が、言った。
「あなた、最近、ずっと、同じ顔」
片山は、苦笑した。
「止まらないんだ。考えるのを」
妻は、少し、考えて、言った。
「友達が、同じ失敗をしたら、何て言う」
片山は、答えた。
「そんなに、気にするなよ。訂正して、謝ったなら、十分だ、と言う」
妻は、頷いた。
「それを、自分にも、言ってみて」
その夜、片山は、試した。
まず、タイマーを、十五分に、した。
考えるのは、その間だけ。
ノートに、書いた。
何が、あったか。
何が、自分の、責任か。
次に、どうするか。
十五分後、ノートを、閉じた。
寝る前に、頭の中に、また、あの場面が、浮かんだ。
片山は、起き上がった。
廊下を、五分、歩いた。
水を、飲んだ。
「明日、考える」
声に、出した。
「ダメな人間だ」を、「今日は、うまくいかなかった」に、言い換えた。
「いつも、こうだ」を、「今回は、こうなった」に。
一週間後、反すうは、ほとんど、なくなった。
片山は、手帳に、書いた。
十五分で、区切る。
その下に、足した。
友達に言う言葉で、自分に言う。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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