悩みのテーマ 1on1のやり方 関連 傾聴・質問・離職防止

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介護施設の施設長が、辞める前に「続けている理由」を聞いて回った話

介護施設 施設長・50代前半 人間関係

介護施設の施設長、白井は、退職面談の、記録を、読み返していた。

今年、四人目だった。

どの記録にも、同じ、言葉が、並んでいた。

「もっと、早く、言えば、よかった」

「言っても、変わらないと、思った」

白井は、ペンを、置いた。

辞めてから、聞いても、遅い。


翌月、白井は、職員に、声を、かけた。

「三十分、話を、聞かせてください。評価とは、関係ありません」

最初の、一人は、ベテランの、片山だった。

「この施設で、続けている理由は、何ですか」

片山は、少し、驚いた顔を、した。

「利用者さんの、笑顔、ですかね。あと、同僚が、良い人たちで」

白井は、頷いた。

「変わってほしいことは、ありますか」

片山は、しばらく、黙った。

「責めるためでは、ありません。改善の、ためです」

そう、付け足すと、片山は、口を、開いた。

「夜勤の、引き継ぎが、長いんです」


十人に、聞いた。

続けている理由は、利用者と、同僚。

変えてほしいことは、引き継ぎの、長さ、休憩の、取りにくさ、書類の、多さ。

白井は、すぐに、できる、一つを、選んだ。

夜勤の、引き継ぎだった。

「来月から、引き継ぎを、十五分に、絞ります。その分、記録は、共有の、システムに、残します」

片山が、頷いた。

「それなら、助かります」


一か月後、引き継ぎは、半分の、時間に、なった。

白井は、約束を、守った。

その姿を、見て、他の職員も、話すように、なった。

「施設長、休憩の件なんですが」

白井は、聞いた。

三か月後、もう一度、面談を、した。

片山は、笑って、言った。

「最近、働きやすく、なりました」

その年の、退職者は、それ以上、増えなかった。

白井は、手帳に、書いた。

辞める前に、聞く。続けている理由を。

その下に、足した。

約束は、小さく。そして、必ず、守る。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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