課長が匿名の三問で部下に聞いたら、「ため息」と書かれていた話
自分では、丁寧に、指示しているつもりだった。部下が書いたのは、課長の、ため息だった。
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ITベンダーの、プロジェクト課長、谷口は、プロジェクトの、終了後に、反省点を、書き出した。
十二個、出た。
報告の遅れ。
会議の多さ。
他部署の、納期遅れ。
メールの、言い回し。
顧客の、要求変更の、多さ。
どれも、気になった。
谷口は、全部、直そうと、した。
一週間後、何も、進んでいなかった。
先輩に、言われた。
「全部は、直せない。二つの軸で、並べろ」
影響の大きさ。直せるか。
谷口は、付箋に、十二個を、書いて、四つの枠に、置いた。
影響が大きく、直せる。
報告の遅れ。
要件定義の、確認不足。
影響が大きく、直せない。
他部署の、納期遅れ。
顧客の、要求変更。
影響が小さく、直せる。
メールの、言い回し。
会議の、資料の、見た目。
影響が小さく、直せない。
他人の、口調の癖。
顧客の、担当者の、機嫌。
谷口は、並べて、気づいた。
自分が、一番、気にしていたのは、「他人の口調」だった。
だが、それは、影響が小さく、直せない。
気にしない、枠だった。
谷口は、決めた。
今週の、テーマは、「報告の遅れ」だけ。
他部署の、納期遅れは、上司に、相談する。
メールの言い回しは、余裕があれば。
他人の口調は、気にしない。
「報告の遅れ」は、毎日、夕方の、十七時に、進捗を、一行で、送ることに、した。
一週間後、報告の遅れは、ゼロになった。
谷口は、手帳に、書いた。
影響が大きく、直せるものから。
その下に、足した。
直せないものは、相談するか、気にしない。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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