悩みのテーマ 部下の育て方・指示の出し方 関連 評価の伝え方・後輩の育て方・成長

Story

機械メーカーの課長が、低い評価を「結果、基準、次の一手」で伝え直した話

機械メーカー 課長・40代後半 評価・給料

課長の吉田は、面談室で、部下の石井に、言った。

「今期は、まあ、いろいろあったけど、よく、頑張ってくれたと思うよ」

石井は、笑顔で、頷いた。

「ありがとうございます」

吉田は、安心した。

低い評価を、つけていた。それは、言いにくかった。だから、「いろいろあった」と、ぼかした。


二か月後、評価の結果の通知が、人事から石井に、届いた。

石井は、翌日、吉田に、言った。

「課長。通知を、見ました。期待の水準に、届いていなかったと書いてあります」

「ああ、うん」

「面談では、よく頑張ったと、言われました」

吉田は、言葉を、探した。

「あれは、その、努力は、認めているという意味で」

「では、何を直せばよかったのでしょうか」

吉田は、答えられなかった。


その夜、吉田は、手帳に、四つの項目を、書いた。

結果。基準。事実。次の一手。

翌週、吉田は、石井を、もう一度、面談室に、呼んだ。

「先日の話を、やり直させてほしい」

石井は、静かに、頷いた。

「今期の評価は、期待の水準に、届きませんでした。これを、先に、言うべきでした」

石井の表情は、変わらなかった。

「基準は、設計の納期です。十件のうち、六件が、予定通りでした。遅れた四件は、遅れる見込みを、事前に、聞いていませんでした」

「はい」

石井は、手帳を、開いた。

「次の期は、遅れそうな時点で、前日までに、私に相談してください。月に一度、進み具合を、一緒に見ます」

石井は、少し、考えてから、言った。

「事前に言うのが、怖かったんです。遅れを、責められると思って」

吉田は、息を、吐いた。

「責めない。遅れることより、知らないことのほうが、困る」


一か月後、石井が、言った。

「課長。この案件、予定より、三日、遅れそうです」

「分かった。原因は」

「図面の確認に、時間がかかっていて」

吉田は、聞いた。対策を、二人で、決めた。

半年後の面談で、吉田は、結果から、言った。

「今期の評価は、期待の水準に、届きました」

石井は、小さく、頭を下げた。

「事前の相談が、早くなった。それが、大きい」

吉田は、手帳を、閉じた。

四つの項目は、次の面談にも、使うつもりだった。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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