定年後に、月数万円を稼ぐ道を、経験から探した課長の話
大きく稼ぐ必要は、なかった。小さな収入と、役割が、暮らしを、変えると、知った。
読むStory
事務機器メーカーの、営業課長、渡部は、新しい顧客の、初めての商談に、向かった。
受付で、待たされた。
会議室に、通された。
渡部は、五分間、観察することに、決めていた。
会議室は、整っていた。
壁に、スケジュールの、ボードが、あった。
ホワイトボードには、消し忘れた、メモが、少し、残っていた。
「来月の、移転」と、読めた。
担当者が、入ってきた。
名刺には、「総務課長」と、あった。
もう一人、年長の、男性が、同席した。
名刺は、「取締役」。
渡部は、気づいた。
決裁者が、同席している。
担当者は、資料の、束を、持っていた。
付箋が、たくさん、貼られていた。
検討が、進んでいる、可能性が、ある。
渡部は、仮説を、持ちながら、聞いた。
「本日は、どのくらい、お時間を、いただけますか」
「一時間です」
「すでに、検討されている点は、ありますか」
担当者は、答えた。
「はい。他社の、見積もりを、二つ、もらっています」
「ありがとうございます。最終的な、ご判断は、どなたが、なさいますか」
取締役が、答えた。
「私と、総務課長で、決めます」
渡部は、ホワイトボードの、メモにも、触れた。
「来月、移転されるのですか」
「ええ、そうなんです」
「では、移転に伴う、機器の、設置も、含めて、ご提案させてください」
担当者の、顔が、明るくなった。
観察を、そのまま、言わなかった。
質問の形に、して、確かめた。
商談は、一時間で、終わった。
次の、打ち合わせが、決まった。
渡部は、帰りの電車で、手帳に、書いた。
最初の五分で、観察する。
その下に、足した。
観察は、質問にして、確かめる。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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