悩みのテーマ コールドリーディング・話術

Story

現場監督の課長が、職人のペースに合わせて、三日で話を聞いてもらえるようになった話

建設会社 工事課長・40代前半 人間関係

建設会社の、工事課長、中村は、現場に、来て、一週間だった。

本社から異動してきた、営業出身の、課長だった。

説明は、うまかった。

早口で、正確。

ただ、現場の職人たちは、黙って、頷くだけだった。

指示を出しても、反応が、薄い。

翌日、同じミスが、起きた。


ベテランの職人、佐伯が、ある日、ぽつりと、言った。

「課長の話は、速くて、よく分からん」

中村は、驚いた。

「速い、ですか」

「本社の人は、みんな、そうだ」

悪意は、なかった。

ただ、ペースが、違った。


中村は、翌朝から、変えた。

佐伯の、話し方を、観察した。

ゆっくり。

声は、低め。

言葉は、短い。

中村は、合わせた。

「佐伯さん。今日の、段取り。最初に、鉄筋から、お願いします」

一言ずつ、区切った。

声も、低くした。

佐伯は、頷いた。

「分かった」

その、頷き方が、いつもと、違った。


三日目、中村は、気づいた。

職人たちが、自分から、話しかけてくる。

「課長、ここ、ちょっと、見てもらえますか」

佐伯が、言った。

「課長の話は、聞きやすくなった」

中村は、少しずつ、自分のペースを、戻した。

打ち解けてからは、必要なことは、はっきり言えた。


手帳に、書いた。

最初は、相手に、合わせる。

その下に、足した。

打ち解けたら、少しずつ、戻す。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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